2011年7月23日土曜日

Fw: 素顔の松本龍・前復興大臣

> 今日は日経ビジネスから以下の記事を抜粋して紹介します。長文になりましたが、我々がいかに、メディアの刹那的な報道に踊らされているかを思い知らされました。
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> 東日本大震災の被災地への失言問題で7月5日に辞任した松本龍・前復興大臣。医師団は、奇異な言動の一部は「疲労が重なった結果、気分障害による軽い躁状態が関係した可能性が高い」と、発表した。
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> 一方で、「辞任するならせめて環境大臣でいてほしかった」と惜しむ声も挙がっている。
> 「松本氏は国際的にも評判が良かった。辞任は日本の環境外交にとって残念だ」「丁寧な仕事ぶりだった。一度背負ったらどんな結末でも引き受け、言い訳しない人。惜しい」という声だ。松本氏は、昨年9月から今年6月まで環境大臣(防災大臣も兼任)を務め、環境の分野では市民やNGO、自治体や企業などからも評価される大臣だった。
> その最大の成果は、昨年10月に名古屋市で開かれたCOP10の成功である。
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> COP10では、薬や食品の原料になる遺伝資源の利用ルールを巡って、先進国と途上国が激しく対立し、合意を得るのが絶望視されていた。しかし、 松本氏は議長国日本の代表として、地域も人種も利害も全く異なる193カ国の合意を取り付け、最終日にすべての議題を採択するという奇跡の交渉劇を繰り広げた。こうしてCOP10では、「名古屋議定書」、「愛知目標」という日本の都市名を冠した2つの国際ルールが誕生した。
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> 昨年11〜12月にメキシコで開かれたCOP16でも、力量をみせた。こちらは地球温暖化対策に関する国際ルールを議論する締約国会議である。COP16では、日本は「京都議定書の約束期間を延長することに反対」を表明し、世界から孤立しそうになっていた。EUなど他の主要先進国は約束期間の延長に賛成していたからだ。
> 「日本は延長に賛成できない。しかし、世界から孤立すれば日本の国益を損なう」と判断した松本氏は、経産省と環境省、外務省を一枚岩にまとめ上げ、日本の立場を国際社会に理解してもらえるよう交渉し、延長の議論を今年のCOP17まで持ち越させるという成果を挙げた。
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> 2つのCOPの成功は、「松本氏の手腕と人柄のおかげ」とみる人が多い。
> 例えばCOP10では、交渉が決裂しそうな中、松本議長は先進国も途上国も受け入れられる「議長提案」という文書を作って解決の道を探った。通常 COPでは各国の交渉官たちが議論を積み重ね、最終合意文書を作っていく。合意が難しい最終局面の話し合いは、閣僚級がひざを詰めて行う。その際、密室で行われたり、駆け引きがなされがちだ。
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> しかし、松本氏はそうした手法を嫌い、透明性を是とした。すべての協議をどの国も参加できるようオープンにし、その意見を吸い上げる形でトップダウンの「議長提案」文書を最終日に作った。そして、1国ずつ個別に手渡して説得し、合意に向けて最後の1秒まで努力したのである。その時の真摯な態度に各国の閣僚が心を動かされ、歩み寄ったというのが、COP10成功の真実である。
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> この時の気持ちを松本氏は、『環境外交の舞台裏—大臣が語るCOP10の真実』でこう語っている。
> 『政治もそうですが、利害関係が異なる多様な国と地域が参加するCOP10のような、コンセンサスで物事を決めていく国際会議では、駆け引き等の小手先の策を弄しても仕方ありません。丁寧に相手の話を聞き、予断と偏見を持たない。平等に公平に接する。それが私の信条であり、解決への一番の近道だと思っています』
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> 反対意見を言う国にも、とことん耳を傾ける姿勢を貫いた。COPは最終日の全体会合で全会一致をみなければ最終合意に達しない。しかし、必ず反対意見を言う国が出てくる。政府団の1人が語る。「例え、全体会合で反対意見を言う国が出ても、『強引に押し通してください、大臣』と頼んだが、『それはダメだ。最後まで丁寧にやろう』と主張を変えなかった。」
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> 松本氏もこう振り返る。
> 『もし全体会合で反対意見が出た場合、発言する国を無視するというやり方もあるでしょう。でも私は「無視はとにかくダメだ。発言したらずっと発言させろ。丁寧にやろう」と指示しました。どの国も自国を背負って発言しているのです。発言することに意味があるのです』
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> 失敗を素直に謝る正直さも、他の締約国の共感を呼んだ。国際会議場では、事務方のミスから松本氏が誤って採択の木槌を振り下ろそうとしたことが何度かあった。その時、素直に「ごめんなさい」と議場で全締約国に謝った。
>「正直に謝る大臣はこれまでいなかった。松本議長の誠実な態度に各国大臣が心打たれ、最後はこの人に恥をかかせてはいけないという雰囲気が国際会議場に広がっていた。各国が歩み寄ったのは松本大臣の人柄があったから」と事務方は述懐する。
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> もう1つ、松本氏が徹したのは、弱い立場にある途上国の主張をしっかり聞くことだった。途上国は先進国に搾取されてきた歴史を持ち、複雑な感情を抱いている。一方、先進国は途上国の熱帯雨林などに眠る遺伝資源から薬や食品を作り、膨大な利益を手に入れてきた。途上国は「利益を還元しろ」と先進国に迫り、先進国は「バイオテクノロジーによる独自開発だ」と突っぱねる。利益の還元を巡って交渉は平行線をたどってきた。
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> こんな時、松本氏は途上国の目線まで降りて話を聞いた。
>『COP10 で意見がまとまらなかった時、途上国が交渉に応じないのは、先進国のお金が目当てだからと一部では言われていました。しかし、そんな簡単な話ではないのです。彼らはただ、自国の将来を思う、人としての切ない思いや願い、祈りのようなものを抱えていたのだと思います。私は議長として、そういう彼らの思いを汲み取ることに専念しました。いわゆる駆け引きはしませんでした』
> 『誤解してはいけないのは、途上国が合意に応じないのは決して金だけの問題ではないということです。人としての憤りですよ。彼らは辛かったのです。自分たちの国が昔から搾取されて、生態系が荒らされて、辛くないわけがないでしょう。絶対にルールを作らなければいけないと思いました』
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> 復興大臣としては「上から目線。傲慢」と批判を浴びた松本氏だが、本当の素顔は、弱い立場に寄り添うところがあった。
> 名古屋議定書に関する議長提案にアフリカグループが合意の意思を示した時、松本議長は涙を流し、アフリカグループの代表であるナミビアの大臣と抱き合っている。
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> 松本氏は「チーム」という言葉が好きだ。手腕を発揮できたのは、優秀な事務方たちから成るチームがあったからでもある。チームで仕事をする際、現場を信頼して実務を任せ、自分はトップとして責任を取るという方法を取る。COP10のチームの人々は、「松本大臣は大きな流れや詰めるべきポイントを指示するが、細かなことは任せてくれた。自由にやらせてもらえて、非常に仕事がしやすかった」と口をそろえる。
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> 例えば、議長提案を作る際、細かな文書作りはチームに任せていたと松本氏は打ち明ける。
> 『正直言って私は議長提案の作成そのものにはかかわっていません。それまでチームのみんなで思いを共有してきましたし、チームの人間性を高く評価していましたから。私は翌日に備えて早めにホテルに引き上げました。チームの一員として、私の役目は、明日どれだけ誠意を持って議長提案を渡し、説得して合意を得るか。にこやかにさわやかに手渡すか。そのプロセスを何度もイメージトレーニングしました』
> そして、トップとして覚悟して責任を引き受けた。
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> 『もし議長提案を示して合意が得られなければ、これまで交渉官が積み重ねてきた議論を台無しにしたとして議長に全責任が及び、評価はマイナス1000点になるなと思いました。国益、恐怖心、勇気、撤退、正面突破、人生で最大の決断の時。私は議長提案に賭けました。そして、「議長の評価など気にしなくてよいから、進めてほしい。最後の1秒までまとめるためのベストを尽くしてほしい」と、事務方に指示しました』
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> 復興大臣に就任した際、「チームが失敗したら責任を取るのが閣僚の役目だ。私は屋上でたばこを吸っていようかと思う」と発言して物議をかもしたが、「自分は責任をすべてかぶるから、実務では思う存分頑張ってください」という松本流の表現であったように思う。
> 松本氏に近い人によれば、同氏は東日本大震災直後に被災地入りした後、4月からは毎週末ごとに被災地に足を運び、避難所を回り、市長や町長と会談を重ねてきたという。もちろん、被災3県の知事とも何度も会談している。宮城県の村井知事とも会い、電話でも話す仲だったという。国の復興構想会議に参加している別の人物は、「内閣では松本大臣が最もまじめに出席し、休み時間も3県の知事と個別に話し込んでいた」と証言する。
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> 報道された宮城県の応接室にも過去に訪れた。村井知事が後から入ってきても不機嫌になることはなかったという。今回の言動の真意は、「旧知の仲である村井知事に、内輪の感覚でゲキを飛ばしたのではないか」と近い人は見ている。
> さらに、「発言の背景には、県が市町村とすり合わせができていないことへの苛立ちもあったのでないか」と指摘する。「宮城県が打ち出した水産業復興特区の構想に市町村は反発し、その調整がうまくできていなかった。このため、市町村が県を飛ばして直接国に相談してくるケースもあった。そうした事態に霞が関の一部は不満を抱いていた。『ちゃんと調整しろよ』という気持ちが松本氏にはあったのでないか」と推測する。
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> 被災地の復興には、廃棄物処理、生物多様性保全、温暖化対策といった「環境」の視点も重要である。3県の震災廃棄物は通常の廃棄物の10年分を超え、その処理は遅々として進んでいない。水産物の腐敗や重金属の土壌汚染などで人の健康や環境を脅かしかねない状況にある。
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> 農地や漁場の再生など、生態系の機能をどう蘇らせるかも緊急の課題であり、COP10で合意した「愛知目標」に関係する問題だ。一方、これからの日本のエネルギー政策は、今年11月末に開催される温暖化のCOP17の交渉にも影響を与えるだろう。
> こうした環境問題にかかわる場に松本前大臣がいないのは、損失だと感じる人は少なくない。「復興大臣としての活躍も見たかったが、せめて環境大臣でいてほしかった」というのが、これまでの活躍を見てきた人々の偽らざる気持ちだろう。
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> 「奇跡を見たり地獄を見たり」——。辞任会見で松本氏はそう語った。奇跡のCOP10交渉劇に始まり、地獄の辞任劇で終わった9カ月半の大臣在任期間。劇的な出来事の連続に身も心もボロボロだったに違いない。
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