2011年9月18日日曜日

Fw: 福島原発事故で浮かんできた「非常用復水器」をめぐる問題

>「文藝春秋」編集長等を歴任してきた堤堯が『Will』8月号の連載エッセイで、福島原発での汚染つつみぎょうが『Will』8月号の連載エッセイで、福島原発での汚染水処理の除染費用について、トン当たり2億円とされ、目下、貯まった汚水量は10万トンを超える(執筆当時)から、2億円なら20兆円、値切ったと報道される1億円なら10兆円を超えることになる。
>《毎日8百トンの注水は、蒸気と化して空中に放出される部分を除き、約5百トンが汚物を含んだまま垂れ流されて貯まり水となる》ので、1億円としても毎日5百億円が仏のアレバ社と米のキュリオン社に入ることになり、《ある種の鉱物をゼオライトに混ぜた液体で放射性物質を沈殿させる技術があると聞く》日本の民間会社に任せれば、《百分の一で処理できるという》から、《十兆円は一
>千億円で済むことにな》り、政府は《一体、どんな契約をかわしたのか》、国会で明らかにしてほしい、と冒頭から切り出しているが、とくに注目するのが「非常用復水器」についての箇所である。
>元佐賀大学学長・上原春男は汚染水について、《この種の事故は外部から手当をするのが鉄則だ。
>なぜなら、内部の破損状況がわからない。調べようにも命にかかわる汚染水が阻む。仮に汚染水を取り除いたところで、このタイプの原発は内部構造が複雑にすぎて、破損箇所の発見・修理に時間がかかる。
>その間、汚染水の垂れ流しとなる。
>だから、まずは外部からの手当を考えろ、それが常識だ》という主張に立って、外付け循環冷却系の設置を提案していたが、《底の抜けた炉に水をやみくもに入れ続けた》。
>事故から二カ月経って、《原子炉の底が抜けたと認めるにおよんで、ようやく統合対策本部は底部から流出する汚染水を冷却・除染し、キレイな水にして原子炉へ戻すシステムを構築すると発表した。
>つまりは、外部に冷却循環系をつくる。これは上原提案のヴァリエーションだ。》
>この問題については、田原総一朗が行っているインタビュー(『Voice』8月号)の中で、かつて東芝の技術者で原発の格納容器を設計した後藤政志も、「格納容器が壊れていて、漏洩の経路を遮断でろうえいきないなかで水での冷却を続ければ、汚染水が出てくるのは当然で」あるが、「格納容器を水で満たせば、4000 t から5000 t という重さにな」り、「設計段階でそんな重さに耐えることを想定していない」から、「水棺にして、万が一大きな余震が来たときに大丈夫なのか」と心配する。
>先の上原提案に戻ると、《6月に入って、一号機の燃料プールに外付けの冷却循環系を据え付けた。
>温度が下がるまで三日ほどかかるとされたが、一日を待たずしてプールは低温状態となり、関係者を驚かせた。
>本体の原子炉についても、上原提案を早くに採用していれば、これほどにも汚染水が増えることはなかったのではないか。》と堤は言い、原子炉の各所に通っている数本の管を通じて、窒素を注入したり、水を入れたりできるから、なぜ循環冷却を急がないのか、《シロウト考えながら不思議だ》と首を傾げるが、注目するのは、三号機の復水器の設計を担当した上原が自由報道協会の記者会見で、「電源が全部ダメになっても、ちゃんと冷却復水できる設計になっていたはずなんですが、それがどうして作動しないんですかねえ。
>私にはわかりません」と漏らした言葉である。
>この「非常用復水器(IC)」は、後で取り上げる9/8読売朝刊の記事によれば、《原子炉内の蒸気を、専用タンクにためた冷却水の中を通して水に変え、原子炉に戻す緊急冷却用の装置。
>原子炉圧力が設定値を超えると自動起動する。
>運転開始から40年が経過する福島第一と日本原子力発電敦賀原発の1号機にしか設置されていない。
>福島第一の2〜6号機は、原子炉の水位低下時に圧力抑制室の水などをポンプで原子炉に注入する原子炉隔離時冷却系(RCIC)を採用。RCIC はIC に比べ、冷却能力が高い。》と説明され、全電源を喪失しても作動するので、《津波→全電源喪失とは関係ない。
>これが作動しないのは、さてこそ地震の第一撃で破損したかと思われた》が、「違った」と堤は書く。
>上杉隆のレポート(『週刊文春』6月9日号)の中で、上原が東電に「あのシステムはどうなったのか」と問い合わせると、「現実問題としてこれまで一度も使ったことはなく、水位の制御が極めて難しい。
>浜岡原発で水素ガスが爆発した事故もあり、撤去したということです」と答え、《この撤去は東電の独断ではない。原子力安全委員会も保安員も絡んでいる。そしてこの撤去は全国の原発におよんでいる》と呆れる堤は、この記事を読んだ夜「原。、子力安全委員会が通達した『安全設計審査指令』に、長期にわたる全電源喪失は、非常用電源が期待できるので考慮する必要はない、と記してありました」というNHK の報道後に、原子力安全委員長・斑目春樹が画面に登場して、「いまにして思えば、わざわざこんなことを書いている。
>なぜこれを見過ごしていたのか。私もうっかりしていた。
>原子力村という言葉は嫌いですが、そのなかで自由闊達な議論が行われていなかった。
>だからこんなことになった。今回の原発事故は、百年に一度の津波が原因というなら、私はノーです。
>これは明らかに人災です」と述べたことに、ますます呆れる。
>原子力安全委員は週に一度の会議で、《10分足らずでお開きになることが多い》のに、その年俸は1650万円と記して、《原発は多重防禦システムを取る。
>最後の砦をあっさり取り去る了見がわからない。》と憤るが、先の田原総一朗のインタビューの中で元・日本原子力技術協会の理事長で、原発を推進した中軸的人物の石川迪夫が、「全部機械に『安全』を委ねるという思想でつくりあげたのが、原子力発電所なのです。つまり安全の機械化ですね。そして、このキットの安全機械化は、今回も全部『完全』に働きました」と言いながら、問題は、一つは「非常用の自家発電装置の置き場と津波という『自然』との関係」、もう一つは「電力会社が『停電は8時間もあれば復旧できる』と言
>っていた『社会』的通念」において、齟齬をきたした、と説明する。
>「8時間以内の停電でしたら、おそらく炉心は溶融しなかった。
>自家発電装置が津波でやられても、数時間程度なら原子炉の安全装置が働いて炉心溶融を防いでいた」という石川の説明の中の「安全装
>置」が、「非常用復水器(IC)」を指すが、ここでは、なぜそれが作動しなかったのか、という疑問は取り上げられていない。先の読売記事では、政府の事故調査・検証委員会の調査で、《放射性物質を含む蒸気を放出する「ベント」に必要な機材が福島第二原発に誤配送されたり、現場責任者が第一原発1号機の緊急冷却を行う「非常用復水器(IC)」の停止を把握せずに事故対策を講じたりしていた。
>現場からは「東電本店のサポートが不十分だった」との不満も出たという。》
>3月11日午後3時27分に津波の第一波が到達して、非常用ディーゼル発電機が冠水するなどし、1〜3号機の全交流電源が喪失。午後6時30分頃に1号機の運転員が約3時間、「非常用復水器(IC)」を停止、という経過が記述されているが、《事故調の調査では、現場で指揮を執っていた吉田所長が1号機のIC 停止を把握していなかったことも判明した。
>運転員は、IC が作動すると発生する蒸気の噴き出しが確認できなかったため、IC 内の冷却水が失われた可能性があると判断。
>空だきによる配管の破断を避けようと、11日午後6時半頃から約3時間、IC の運転を停止した》が、《IC の停止は炉の状態を急速に悪化させる。東電が5月に公表した解析結果では、IC が電源喪失後に停止したと仮定した場合、11日午後6時40分頃には燃料の損傷が始まったと試算している。
>吉田所長は重要情報の把握漏れについて、「大きな失敗だった」と話したという。》
>堤の文章では、「非常用復水器(IC)」は不要なものとして取り払われていたが、記事では運転員が、《IC が作動すると発生する蒸気の噴き出しが確認できなかったため、IC 内の冷却水が失われた可能性があると判断。
>空だきによる配管の破断を避けようと、11日午後6時半頃から約3時間、IC の運転を停止した》と説明されている。撤去されておらず、運転停止ということだ。
>この記事の説明では、運転停止の理由は明確ではない。しかも、運転停止を運転員が勝手に判断し、それを現場責任者に報告していなかったことなど、とても納得できる説明ではない。
>撤去か、運転員の勝手な判断か。どちらが無理のない説明かといえば、私の推測は撤去に傾く。
>ではなぜ、そう説明しなかったのか。
>撤去したことのほうが問題が大きかったからだ。先の石川迪夫の説明の中の、「全部機械に『安全』を委ねるという思想でつくりあげ」られ、「このキットの安全機械化は、今回も全部『完全』に働」いたという原発の多重防禦システムに、人間自身が風穴を開けてい
>たことになるからである。
>つまり、原発の安全機械化システムにとって人間が壁になっていることを、この事実は明示していることになるのだ。機械は安全システムで完全に設計されていても、人間という不安定要因はどうしても機械の安全システムに組み込むのが困難な異物でありつづけることを、この問題は浮かび上がらせているのではないだろうか。
>◎21世紀瓦版
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