2011年12月26日月曜日

Fw: 峰崎直樹「官邸お庭番日誌」Ver.2第17号

>皆さんこんにちは!峰崎直樹です。
>今まで名刺等交換させて頂いた方々や、御支援を頂いた方々に配信させて頂きます。
>恐縮ですが、メールの配信をご希望されない方は「配信停止」をsapporo@minezaki.net までご連絡ください。
>また、ご質問、ご意見がございましたら、あわせて上記のアドレスまでご連絡ください。
>☆◆☆◆☆◆☆◆☆◆☆◆☆◆☆☆◆☆◆☆◆☆◆☆◆☆◆☆◆☆☆◆☆◆☆◆☆◆☆◆☆◆☆◆☆
>官邸お庭番日誌ver2 第17号 
>2011年12月26日
> 何とも時間の経つのは早いもので、この号でもって今年も終わろうとしている。来年度の税制改正
>大綱が10日の深夜に決定し、予算案の方も一般会計が90兆円強(特別会計の中に潜んでいる復興財源な
>どを入れると96兆円強)でもって与党側の了解も得られたようで、24日の閣議で正式に決定された。本
>来ならこれで来年度の予算編成作業は「一丁上がり」となるところなのであるが、今年はそれ以上に
>重要な課題が残されている。いうまでもなく、消費税率を2010年代半ばまでに10%にまで引き上げるこ
>とを中心にした「抜本的税制改革」が待ち受けているのだ。すでに政府税制調査会では2015年までに2
>回の引き上げで10%までの引き上げが進められる前提での論議が進められてきたのだが、民主党側はよ
>うやくフリー討議が一巡したところであり、まだまだ着地点は見えていない。今日26日から再び党税
>制調査会の論議が開始され、並行して政府税制調査会の方も起草委員会の論議が本格化する予定であ
>る。いつまでに決着ができるのか、野田総理は年内に消費税率の引き上げの時期と引き上げ幅につい
>ての素案をまとめることを明言されており、全くぶれていない。まさに野田政権にとって、ここ1週間
>が正念場である。
>■高すぎないか、2020年度までの成長率見通し
> そうした論議のなかで、見逃すことができないのが来年度以降の経済成長見通しである。内閣府は、
>来年度は実質で2,2%、名目で2,0%という1996年度以来の高い成長を見込んでいる。東日本大震災の復
>興需要の拡大を見込んで高い成長率を予測しているのだが、民間の予測平均値1,8%よりも高く、その
>目標が高すぎないか、懸念されている。問題は、今後の成長率の見通しであり、昨年6月22日に決定し
>た財政運営戦略の目標である、実質で2%、名目で3%という成長率を、12月24日の閣議で2020年度まで
>の目標として決定している。はたして今の日本経済が、このような高い成長率を実現できるのであろ
>うか。2001年以降2010年度までの実質成長率は、年平均に直すと1%にも達しておらず0,7%でしかない。
>デフレであるがゆえに名目ではマイナス成長である。今後の成長を考えるとき、生産年齢人口の減少
>(年率1,0%)を考えなければならず、実質で1%以上の成長率を確保していくことすら至難の業といわな
>ければならない。財政運営を考えたとき、高めの成長を前提とする意向が財務省には強いと思われる
>のだが、ここはまずデフレからの脱却を進め、国民一人あたりの成長率で実質1%程度の成長率が確保
>されれば御の字だ、というぐらいの着実で保守的な姿勢を堅持するべきであろう。
>■金融リスクに対する楽観的な高橋洋一教授
> この実質2%、名目3%という成長率の目標を掲げることで、党内にはこの数値目標が実現されるまで
>は消費税率の引き上げはすべきではない、という意見が出てきているだけに、いくら目標値は努力目
>標でしかない、と言ってもなかなか納得してもらえないことを考えるべきだ。それとともに、デフレ
>からの脱却という目標と消費税率の引き上げに絡んで、デフレ下で消費税率を引き上げればデフレに
>拍車をかけ、ますます日本経済が落ち込んで結果として税収が見込めなくなる、という批判が強く打
>ち出されている。この点について、民主党内の論議に大きな影響を与えているのが高橋洋一嘉悦大学
>教授の言説である。高橋教授は、多くの著作を通じてデフレからの脱却に向けて日銀の金融政策を強
>く批判され続けておられるし、毎日のように発刊されている「夕刊フジ」紙上に毎回寄稿されている。
>最近のものでは11月21日号で「2011『日本』の解き方」(第464号)で「国債暴落論者の言動不一致 
>持論に確信があるのならば身銭投じて儲けてみれば」という見出しで日本国債破たんの危険性を説く
>方たちを批判されている。批判の論点は、TBS系の番組で、ある出席者が、日本の国債は「3年以内に
>破綻をする」と発言したとき、高橋教授が「国債デフォルト(債務不履行)に対する保険料ともいえる
>CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)のレートが1,3%程度であることを紹介し、『もし本当に日本
>が破綻すると思っているなら,CDSを買うべき』と反論」されたという。もし3年で破綻するのなら,
>1,3×3=3,9%の「保険料」で100%の「保険」がもらえるのだから儲かるわけで、確信があるのなら身銭
>を切って投資すれば好いではないか、と揶揄しているのだ。
>■金融危機は突然やってくる、故マンデルブロ教授の教え
> はたしてCDSは本当に支払ってもらえるのだろうか。今回のギリシアのソブリン危機の場合、事実上
>のデフォルトにもかかわらず、50%のヘアカットとなってCDSが支払われなくなってしまい、その後各
>国の国債に対するCDSが十分に機能しなくなったことをどのように考えておられるのだろうか。さらに、
>当面の日本国債の価格が高止まりしているからと言って、本当に大丈夫だといえるのだろうか。という
>のも、金融危機発生の確立を考えるとき、ランダムウォークな確率ではなく、フラクタルに基づいた確
>率で考えなければならないのではないか、という経済物理学の視点に立つ必要性を指摘しておきたい。
>故マンデルブロイエール大学名誉教授が指摘しているように、一見平穏な価格変動を示しているように
>見える金融市場でも、ひとたび変化が起き始めると巨大な変動となって市場を襲うことの恐ろしさに注
>目すべきである。まさに、想定外の危機が訪れることは、大震災と大津波で実証済みのことである。
>■国債価格の下落は、プロシクリカリティを引き起こし、制御可能か
> もう一点、高橋教授らのいわゆる「リフレ派」の方たちがよく指摘されているなかに、名目4%の成長
>があれば増税しなくても財政再建ができる、という点がある。この点、この夕刊フジでは実質2%、名目
>4%程度がいいといわれており、その時の金利は名目で4%程度になり、そうなると長期国債の価格が6割
>程度下がるが、それを「暴落」というべきだろうか、と発言されている。はたして、名目金利が4%にま
>で上がり国債価格が6割程度下がるとき、大量に国債を抱えている金融機関には時価会計の下で含み損
>が発生し、自己資本比率規制をクリアーするべく日本国債を投げ売りし始め、ますます価格が「暴落」
>するという悪循環に繋がらないだろうか。つまり、金利自体も4%程度には収まらず、ひとたび上昇し始
>めると暴走する危険性が現実化するのではないか。日銀が国債を買い支えるといっても限界があり、到
>底買い支え切れるものではなくなる。実に、危険極まりない潜在的な金利上昇リスクの発生が予想され
>ると思うのだがどうだろうか。
>金利上昇は、税収増とともに歳出増も。実質成長なきスタグフレーションに
> さらに考えなければならないのが、名目金利が4%上昇すれば当然政府支出も社会保障をはじめ様々な
>支出も上昇するわけで、財政再建にとっては良くてニュートラル、悪くすればより厳しくなることも考
>えるべきではなかろうか。デフレから脱却すれば経済成長をしている、と楽観視されているが民間の設
>備投資先(言い換えれば、新しい需要拡大)がどのように見出せ、国民が本当に安心して消費拡大に貯蓄
>を取り崩してまで拡大できるのかどうか、まことに怪しい。さらに、実質的な成長率が高まらなければ、
>インフレはスタグフレーションにしかならないとみるべきではないか。
>■政治の現場で物事は決まる。改革の一里塚を築きたいものだ
> 何ともグルーミーな展望しか出てきそうにない2011年の年の瀬ではあるが、なんとか野田総理の思い
>を確実に実現し、与野党協議の場に素案を提起し、国会の場での本格的な論戦を通じて消費税率の引き
>上げを含む税制抜本改革を成し遂げ、社会保障機能強化と財政再建の一里塚にしたいものである。それ
>にしても、願わくは2015年度までの消費税率があと1%~2%程度引き上げられれば、もっと社会保障の機
>能強化につなげることができたのでは、という思いが残る。もちろん、2015年で改革は終わるのではな
>く、2020年やそれ以降も見据えた改革が必要になるわけで、まさに「改革の一里塚」を先ずは実現させ
>なければならないのだ。
> 読者の皆様方の来年こそご多幸とご健勝を祈りつつ、今年の最後のメッセージとさせていただきます。
>来年は、1月10日号からスタートしたいと思います。来年もどうぞよろしくお願いいたします。
>
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>
>峰崎直樹プロフィール
>1944年10月14日生
>1992年参議院北海道選挙区初当選
>〜2010年 参議院議員3期18年任期満了
>2009年財務副大臣
>現在 
>内閣官房参与
>◎峰崎直樹 官邸お庭番日誌
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