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> 『三橋貴明の「新」日本経済新聞』
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> 2012/01/02
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>FROM 東田剛
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>安倍内閣は、現時点であり得る選択肢の中でベストだと思います。しかし、だからと言って、その方針が全部支持できるわけではありません。
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>報道によれば、経済財政諮問会議に伊藤元重氏と高橋進氏が、産業競争力会議には竹中平蔵氏が委員として選ばれたそうですが、三人とも新自由主義者で、熱心なTPP推進論者です。
>特に、竹中平蔵氏は、「失われた二十年」をもたらし、数多くの失業者と自殺者を出し、政治を破壊した構造改革の主犯格です。
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>なぜ、その彼らを登用したのか。それは、安倍内閣もまた、構造改革、とりわけTPPを進めるつもりだからでしょう。
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>郵政民営化が典型的ですが、経済財政諮問会議は、党の反対勢力を抑え、内閣主導で構造改革を進めるための装置です。
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>経済財政諮問会議の民間議員は、改革派官僚が下書きした構造改革の要望である「民間議員ペーパー」を連名で出します。これで中立な民間人を装い、馬鹿なマスコミを利用して、「民間の改革派」vs「自民党の抵抗勢力」という図式を演出し、構造改革を進めるのです。
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>予告しておきますが、そのうち、TPP早期参加を求める「民間議員ペーパー」が出されるでしょう。「発送電分離」とも書いてあるかもしれません。
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>注)発送電分離についての東谷暁先生の分かりやすい動画
> http://www.mxtv.co.jp/nishibe/archive.php
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>林芳正農水大臣というのも、TPP推進の布石でしょう。この人事は、先の総裁選に立候補した林氏が、自民党の次世代のリーダーにふさわしいか否かの試金石と言われていますが、安倍内閣がTPPに否定的なら、農水大臣のポストが試金石になるはずがありません。
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>谷内正太郎氏の内閣官房参与就任もTPPのためでしょう。藤井聡先生も参与に就任したので安心している方がおられますが、藤井先生だって国土強靭化という大事なお仕事があるので、何でもかんでも、できるわけではありません。
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>伊藤氏や竹中氏をアベノミクスに転向させ、マスコミ対策として使うだけだという見方は、甘いですね。
>アベノミクスなど、所詮は、金融緩和と積極財政に過ぎません。もちろん、思想的に深く考えれば、アベノミクスの本質は、新自由主義やグローバリズムと反するもののはずです。しかし、彼らが深く考えるはずがない。「日本に必要なのは、金融緩和、積極財政、構造改革、そしてTPPだ」と平気で言えるのです。
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>もしそれが安倍総理の経済政策の方針だとしたら、総理も深く考えておられないということでしょう。第一次安倍内閣から六年、政権を失ってから三年も時間があったというのに、結局、金融緩和と公共投資の必要性しか、理解できなかったのだとしたら、悲しいことです。
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>それでも、安倍内閣は、現在の日本における最善の選択肢なのです。これが、今の日本という国の限界です。
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>「安倍内閣がベストだと思うなら、批判しないで応援しろよ!」と思う方がおられるかもしれませんが、そういう考え方は間違っています。
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>安倍内閣しかないからこそ、他に選択肢がないからこそ、ここで間違ったことをされては困るのです。そして、過ちを改めてもらいたければ、批判しなければなりません。批判というのは、敵だけではなく、味方に対してもするものなのです。忠臣たればこそ、諫言しなければなりません。
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>まあ、日本は、二十年も構造改革などという馬鹿をやり続けた国です。そう簡単には治らないことは、覚悟しておいた方がよさそうです。
>やっと積極財政と国土強靭化をやるところまで来たのですから、ここでくじけずに、これから二十年かけてでも、日本を取り戻していきましょう。
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