2013年1月3日木曜日

Fw: メルマガ・日本一新・通巻第142号—B

>日本一新の会 メルマガ配信
>━━【日本一新】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
>                  通巻第142号・2013/1/3
>━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
>                     顧問:戸田 邦司
>                     発行:平野 貞夫
>                     編集:大島 楯臣
>━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
>☆本号は、無償公開版です。
>
>☆「メルマガ・日本一新」は、維持会費により運営しています。
> ご協力のほどをよろしくお願い申し上げます。子細は、
>
> 会費は月払500円、年払5.000円で振込先は下記のとおりです。
>
> 郵便振替用   口座番号   01730-1-114958
>         加入者名   日本一新
>         カナ表記   ニッポンイッシン
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>         預金種目   当座
>         口座番号   0114958
>         加入者名   日本一新
>         カナ表記   ニッポンイッシン
>
>☆入金通知には数日を要します。よって、入れ違いになった場合
> はご容赦ください。
>━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
>  <メルマガ・日本一新・通巻第142号>
>━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
>◎「日本一新運動」の原点—142
>
> 日本一新の会・代表 平野貞夫妙観
>
> 「メルマガ・日本一新」も、継続してご愛読いただいている、
>維持会員をを始めとして、その他にも多くの人々のおかげで、3
>回目の新春を迎えることができました。あれよ、あれよと言うう
>ちに「142号」となったものの、誠に残念なことに、世の中は
>私共の思いとは裏腹に進み始めたようです。「明けましておめで
>とうございます」と言いづらいところですが、反省もこめて、ま
>ずは新年のご挨拶を申し上げます。
>
> ○「巳年」の平成25年に思うこと!
>
> 私の人生の師・前尾繁三郎元衆議院議長には、いろいろなこと
>を学びました。前尾先生が生涯を通して研究されたのは「十二支
>攷」の研究でした。遺稿は『十二支攷』(思文閣・全六巻絶版)
>で、研究の目的は「人間の本質の追究」でした。因みに「攷」は
>「かんが—える」と訓じ、「考」の同訓異義に分類されます。少
>し拘れば「考」は腰の曲がった年寄りの象形で、「攷」には「う
>つ・叩く=調べる」とする字義があり、「より深く考える」とい
>う意を込めて「攷」を用いられたと思います。同書には『十二支
>攷』別冊を編み、そのなかに「前尾学について」を私が詳述して
>いますので、機会があれば参照してください。昭和時代にはこう
>いう政治家がいたのです。
> この『十二子攷』のなかに、「二匹のへび」という随筆があり
>ます。その要旨を紹介して「巳年の平成25年」を「攷える」こ
>とにします。
> 前尾先生が大正時代の終わりの頃、旧制高校時代に読んだ書物
>に紀平博士の『哲学概論』があります。本の内容にはまったく記
>憶がないとのことですが、表紙に描かれた「二匹の蛇が輪になっ
>て、食べ合っている図」が非常に印象に残っていたようです。
>「食べ合ったらどうなるか」との設問があり、次のような回答が
>あったとのことです。
>
>1)不変不動と考える。(プラトン)
>2)永久の動と考える。(アリストテレス)
>3)互いに食べてしまうから無くなると考える。(無神論者)
>4)互いに食べ合うから無限に大きくなると考える。(ヘーゲル)
>5)もし、蛇に大小・強弱があるとの条件を入れると、小は大に、
>  弱は強に食べられると考える。(ダーウィン)
>
> さて、日本一新の会の皆さんならどう考えますか。前尾先生は、
>この話の続きとして、マーキュリーのギリシャ神話「ヘルメスの
>蛇」の話をしています。ヘルメスはある行為の御礼に、アポロか
>ら一本の魔法の杖をもらった。この杖は不和を調停し、論争を宥
>和し、対立するものを調和する力があった。ヘルメスはある時、
>二匹の蛇が闘っているのを見て、この杖の魔力を試みようとして、
>両方の間に差し入れたところ、二匹はすぐその争いを止めて、仲
>よく杖に巻き付いた。ヘルメスは大いに喜んで、二匹の蛇に永久
>にそのままの姿であることを命じ、どこへ行くにも、この杖を携
>えることにしたという。
> 前尾先生が、この「二匹の蛇」の話を随筆にした理由は、「政
>治の本質」についての見識によるものです。名著『政の心』(昭
>和48年・毎日新聞社)で、「政」の文字の語源を「正義」と
>「力」と分析したうえで、「力」のない政治は即ち、礼=秩序の
>ない政治で混乱あるのみ、「正義」のない政治はもはや政治とは
>いえない、と断じています。そして、現代の国家社会の中での争
>いや対立を調整し調和する「ヘルメスの魔法の杖」に、議会民主
>政治を夢見ていたのではないかと思います。
> しかし、21世紀の現代、世界のどこに行っても議会民主政治
>が「ヘルメスの魔法の杖」の役割をしている国はありません。お
>そらく、人類は「二匹の蛇」のギリシャ神話を忘れ、現代のよう
>な混乱となったのではないでしょうか。平成25年の「巳年」に
>あたり、是非、ギリシャ神話を思い出していただきたい。
>
>○21世紀の「二匹の蛇」とは何か!
>
> 第2次世界大戦が終わり、20世紀後半の世界政治の「二匹の
>蛇」は、資本主義を正義とする米国と、共産主義を正義とする
>「ソ連」であった。そして20世紀末には米国中心の資本主義の
>蛇が、ソ連中心の共産主義の蛇を呑み込んでしまった。そして世
>界平和と繁栄は資本主義によってもたらせると期待された。共産
>圏が崩壊したのは、その原点である平等や共助・公助が忘れられ、
>官僚国家になったことにある。かくして市場原理の中でもっとも
>過激な排他的競争という「蛇」が出現する。
> 20世紀末になると、技術の発展による世界のグローバル化と
>高度情報社会化が一挙に進み、資本主義は変質していく。実体経
>済を無視したマネーゲームによる金融資本主義は、健全な資本主
>義を変質させていく。そして21世紀になると、資本主義はマル
>クスもケインズも想定しない形態に陥り、国家資本主義体制とな
>る。米国をはじめ、先進諸国は無論のこと、中国もまた同じであ
>る。金融資本主義が崩壊・変質していく典型的な例が、2008
>年(平成20年)に米国で起こったリーマン・ショックであった。
> 21世紀の「二匹の蛇」は、国家権力など官僚と結びついたマ
>ネーゲーム資本主義を原点とする「国家資本主義」という「蛇」
>と、民衆の福寿が国家社会の安寧を原点とする「国民資本主義」
>という蛇の食い合いとなった。日本では平成21年8月の総選挙
>で民主党が政権公約したのは、「国民資本主義の実現」であった。
>国民の圧倒的支持をうけて、歴史的政権交代を成し遂げた。しか
>し、菅・野田と続く民主党政権は、官僚と財界の支配に屈し、
>「国家資本主義」の政治に転向した。東日本大震災・福島原発事
>故という大惨事のさなかに民衆を裏切った。否、もともとこの理
>念を理解していなかったのかも知れない。
> それ故に、昨年11月の衆議院解散は、野田民主党政権の「自
>爆テロ解散」であった。結果は民主党の壊滅的崩壊と、自民党の
>圧勝、そして公明党との連立政権で、衆議院の議席3分の2を超
>える325の勢力となった。これは憲法で衆議院の再議決ができ
>る数である。戦後最低の投票率、59、4%であったこと、自民
>党が獲得した比例票は全有権者の16%であったこと、反民自公
>票の第三極が分散したこと、巨大メディアの謀略的報道など、選
>挙の実態にはさまざまな不条理があるとはいえ、安倍自民党総裁
>が勝ったことは数字が示している。
> 暮れの12月26日、安倍第2次内閣がスタートしたが、安倍
>氏は就任に先立ち、日銀に対して金融緩和を要請し、大型補正予
>算の編成、消費税大増税の実施を前提とする政策を提示した。
> また、原発再稼働を示唆するとともに、原発の新・増設すら匂
>わせつつ、TPP参加にも柔軟性を示し始めた。これらは、マネ
>ーゲーム・国家資本主義の展開であり「二匹の蛇」の弱肉強食の
>政策そのものである。真に国民のためになる不況対策や雇用対策
>は大事である。しかし、それを口実にして、外国のヘッジファン
>ドたちによる「アベノミックス」を狙ったマネーゲームが始まっ
>た。これで世界経済はマネーを求める蛇の力が強くなろう。そし
>て民衆の福寿はこの蛇に食い尽くされていく。
> 肥大化した「マネー蛇」の運命はどうなるのか。恐らく自分を
>食い尽くすことになろう。かくして人類は滅亡していくのかも知
>れない。日本人は暮れの総選挙でこの道を選んだ気がしてならな
>い。資本主義の本質は不安定であることだ。この気まぐれの資本
>主義を歴史の中では人間の英知で調整し管理したこともあった。
>「リーマン・ショック」以降の金融資本主義の暴れようは只事で
>はない。早急に「ヘルメスの魔法の杖」をつくらなければならな
>い。
> きわめて困難なことであるかも知れないが、人間には「共生」
>という理性があったことを思い出し、真の議会民主政治を確立さ
>せることであると思う。
>━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
>━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
>事務局雑話
>
>明けましておめでとうございます。本年も「メルマガ・日本一新」
>をどうぞよろしくお願い申し上げます。
>
>さて、平野代表は新春の賀詞について「言いづらいところ」と書
>き、「反省も込めて」と続けている。生涯を「議会民主政治の確
>立」にかけ、それが実ったかに見えた歴史的政権交代であったが、
>期待は無惨にも叩き潰された。その心中は如何許りか、計り知れ
>ない。その平野代表の元に「市民が政策をつくる運動」と題する
>小論が届いた。その一文に「戦後半世紀、選挙され続けた代議人
>(議員=事務局注)のどうしようもない『勘違い』と、選挙した
>市民のあまりにも呑気な『お任せ無責任』が横たわっている。
>(中略)勘違いした寄生虫(議員=事務局注)がとり行う『日本
>の民主主義』は、市民自らが自らの血と知によって獲得した『ヨ
>ーロッパの民主主義』とは、まったく異質の出自を持つ。それは
>立憲君主制下の大戦で塗炭の苦しみを味わった日本人に、新たな
>お上=連合軍=米国が下賜しただけに過ぎないものだったが、そ
>のことを一部文化人は、侵略戦争の単なる勝利者と解放者とみな
>すオマケまで付け加えた」とあり、「現代に生きる私たちは、敬
>虔な『もっと豊かに教団』の信徒である」と綴られていて、新春
>の胃の腑に落ちた。
>
>事務局は平成17年に「今、何故日本一新運動が必要か!」と題
>して小論を書いた。その一部を抜粋すると、「日本一新」を語る
>時、戦後、あるいは冷戦終結後の見直しだけではなく、明治の文
>明開化も含めて私たち日本人とはどんな国民性を持っていたのか
>もう一度見直して欲しいと若い人たちに提案したい。なぜならば、
>戦後ももちろんだが、明治維新を推し進める中で私たちの先代が
>棄てたもののなかに「棄ててはならないもの」が少なからずあっ
>たと思うからである。失ってみて始めてその価値に気づくものは、
>自然や環境のみではないことを改めて強調したい。先に「江戸時
>代は高度な文化を育んだ」と書いたが、明治以降多くの文明を受
>け入れ、さらに自らも作り出して、経済的に豊かにはなったもの
>の、目新しい独自文化が生まれた形跡はない。強いて切り分けれ
>ば、文明とは「もの」であり、文化とは「こころ」に属する。こ
>の百数十年、経済規模拡大という文明のみに目が向き、私たちの
>誇りであるべき「こころ」を置き去りにした結果が今日の諸問題
>の根源ではないか。日本はこれからの80年で人口が半減すると
>予測されている。世界経済に影響を与えるほどに大きくなった国
>家が、世界最大の速度で人口減が進むのだが、この経験は地球上
>に先例がない。民主主義制度のもとで、社会保障を含む国家とし
>ての仕組みなど、諸外国に学ぶものなどないと私たちは自覚せね
>ばならない。
>
>達増岩手県知事が呼びかける「政治的焦土からの復興」は、東日
>本大震災・福島第一原発事故と並び立つ至難な復興事業となるが、
>事務局は日本人の叡智で必ずや成し遂げられると確信する。
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>            次回の定期配信は、1月10日です。
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