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>「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
> 平成25年(2013)5月31日(金曜日)
> 通巻第3957号
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> 腐敗浄化が進まない中国人民解放軍。汚職は中国の文化なのだ
> 新兵の両親は「隊内でイジメを受けないように」上官に賄賂という体質
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> 2007年、中国海軍ナンバーツーだった王守業・中将が失脚したとき、その汚職の規模に驚かされたものだ。
>王守業中将は海軍の装備品調達の責任者だった。北京に豪邸があって、美女がよく出入りしていたという。しかも当該住居はセントラルヒーティング完備。なぜ海軍の幹部が北京に豪邸があるのか訝った。
>
>出入り業者が豪邸を建ててくれたわけで、大きな冷蔵庫がふたつ。なかから出てきたのは米ドル、ユーロ、香港ドルなどの外貨のキャッシュが2億ドル前後もあった。
>筆者はこのスキャンダルを聞いたとき、蒋介石の軍人等の腐敗を連想した。
>革命前夜、東北(旧満州)で国共内戦の最中、国民党が共産党と戦っているときに、国民党軍の武器管理、弾薬保管の責任者等が、あろうことか、せっせと武器を売りさばき、その密売先は共産党の八路軍だった。
>匪賊にも大量の武器が流れ、米国が支援した最新鋭の武器は敵陣営の武装強化に繋がっていた。皮肉である。
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>これを「売国軍人」というが、ばれるのは氷山の一角で、部隊ごと、連隊ごとに集団で汚職に手を染めているから、検査がはいってもなかなか発覚しないのである。
> なにしろ、現在いかに習近平が反腐敗キャンペーンに乗り出そうとも、腐敗浄化が進まない中国人民解放軍。
>要するに「汚職は中国の文化」なのだ
>
>さて、近年の中国の軍備強化は目覚ましく、2030年に米国と肩を並べると予測する向きが多い。
>上海近くの軍造船所では空母を二隻建造中で、これが進水するのは2020年と予測されているが、完成すれば「太平洋とハワイの西と東で分担する」と中国軍が獅子吼している。
>最新鋭潜水艦も数隻が建造中、さらにはステルス戦闘機も試作モデルが成都空港に出現し、2011年春、胡錦濤とゲーツ国防長官が会談中にデモンストラーションをした。
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>▼米軍規模に中国の技術が追いつける時代の到来は考えにくい
>
>だが、まてよ。
>いま中国がさかんに喧伝している「空母」なるものはソ連崩壊後のウクライナから輸入した鉄の塊であって、これを近代的に作りかえて「遼寧」と命名して大連で艤装工事をおえ、2012年夏から東シナ海でさかんに試験航海ならびに艦載機の発着訓練をしている。
>拠点は青島海軍基地となったが、艦載機はジェット燃料を殆どからにしたうえ、攻撃ミサイルを外し、機体を軽くしてから発着している。
>重いと発艦できないからである。
>
>そのうえ「遼寧」は速度が20ノットしかでない。米軍の空母は30ノット、艦載機は90機から110機が搭載されて、およそ一分ごとに艦載機が発着出来る。
>空母とは「動く飛行基地」であるからには、それっくらいの機能がなければモノの役には立たない。
>
>あまつさえ空母はフリゲート艦、駆逐艦、燃料艦に潜水艦をともなうチームで編成されている。一隻の空母が機能するに、これだけの海軍の陣容がひつようなのである。したがって米軍のような近代化に中国の技術が追いつける時代の到来は考えにくいのではないのか。
>
>ロシアから輸入して、ライセンス生産をしていたはずの最新鋭ジェット戦闘機、ミグ29,31,33は相当数が配備されている筈なのに、飛んでいるところをみたという情報はあまりにも少ない。
>ただし年に六機ほどが「訓練中に墜落」というニュースはよくある。
>つまりパイロットの練度が不足し、宝の持ち腐れとなっている。
>そのうえ、ロシアに内緒で輸出に回し、ライセンス契約と違う背信行為が目立つためロシアが部品を供給しないので、「えんたい」のなかで眠っているのではないか、と推測される。
>
>イランのシャーが全盛期、米国製のF14トムキャットが数十機、イラン空軍の誇りだった。やがてシャーの体制がイスラム革命で崩壊し、パリからホメイニ師が凱旋すると、軍人の大半は逃げた。
>F14は放置されて、周辺国は懸念したが米国は笑い飛ばした。部品の供給がなければ、F14は動かない。砂漠に埃だらけとなって、やがて廃棄された。
>
>イラクのサダム・フセインは米国との戦争前夜に敵対するイランに宝物の戦闘機を緊急避難させて、万一に備えた。イランの革命防衛隊はジェット戦闘機の操縦ができないとタカをくくってのことである。
>また反米路線ということになれば、憎しみ合うほどに仲の悪いイラクとイランも米国が共通の敵である。
>ところがこれも部品の供給を絶たれ、砂漠の沙となった。
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>中国は宇宙船「神舟」を打ち上げ、有人飛行に成功し、おおいにナショナリズムを鼓吹したが、これらの宇宙船はすべてロシア製だった。
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>
>▼新兵の両親が息子を軍人にして。。。
>
>さて、中国の軍でいま何が起きたか。
>第一はモラルの低下蔽いがたい惨状である。習近平は軍事委員会幹部をともなって方々の部隊を視察しているが、視察がおわると宴会が始まる。禁酒令が本当に守られているか、甚だ怪しいのである。
>
>軍は、就職先として近年はやけに人気がある。とくに農村部の若者にとっては収入が安定し、戦争はないと踏んでいるから安定的職業のランクになる。
>また大学工学部卒業は新兵器開発などで優遇され、コンピュータ関係はハッカー戦争の訓練など。
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>しかし中学卒業程度の「兵卒」はどうするのか。軍人になるための賄賂が一万元の相場で、親が部隊長に届ける。しかも、次は「いじめに合わないように」と部隊連隊幹部などに1000元、2000元を届ける。これが軍内の見えない、しかし常識のシステムである。
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>第二に注目しておきたいのは軍基地に隣接してつきものは売春窟である。表向きビジネスホテルを装ったホテルは売春宿だ。
>一般兵卒となると、もっと貧困な安宿、病気をもったような不潔な売春婦の場所へ通う。
>高級幹部は軍が経営するホテルに高級売春婦を呼び込む。広州に五つ星ホテルがいくつかあるが、日本人のよく泊まる花園、老舗の中国飯店、東方飯店、河畔のスワンホテルなどが有名。じつは某ホテルも五つ星だが、一般客が殆ど寄りつかない。
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>このホテルは軍が経営しているからで、玄関にはつねに軍用車両やパトカーが駐車している。覆面パトカーも高級外車のならぶ駐車場に駐まっている。
>軍人御用達、宴会場は軍人幹部の「会議」と称する麻雀大会、カラオケ。そして美人が陪席している。
>軍人ホテルには警察の手入れが入らない。こういう見えないシステムが中国の軍駐屯地の周囲で日常起きていることである。
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>▼武器の密売、転売もまた中国軍の体質である
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>第三は軍のアルバイトのなかでも、武器の横流しと密輸がおさまらないのである。
>新聞報道によれば、陜西省の在る軍需倉庫に保管されていたミグ15戦闘機はいつのまにか、在庫リスト上で385機あるものが、実際は25機に減っていた。
>行方不明の戦闘機は、アルミ合金として合金企業に転売されていたが、これは副業、つまり密売だった。
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> 四川省の軍倉庫から戦車ならびに装甲車1800両が解体され、理由は「新型と更新」とされ、鉄のスクラップ企業に密売されていた。
>「1996年以降、地上戦力を毎年更新、廃棄待ちの戦車・装甲車やトラックの50%が消滅し、とりわけエンジンは1基1万元で処分されていた。
>湖南省の軍倉庫からはマシンガン(ソ連製)、米国製カービン銃と拳銃など27万3000丁が「消失」していた。
>その武器の一部はマフィアに転売され、海外のテロリストへ輸出された形跡が濃厚だという。
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>雲南省の軍倉庫からは災害時の救援用品や燃料、物資が保管されているが、とりわけガソリン、軽油1万7000バレルが密売されていた。
>書類上は「予備役の演習」「災害救援活動」として処分されたと報告された(余談だが雅安地震直後から義援金が呼びかけられたが中国赤十字にはカネが集まらなかった。幹部が不正に流用していると噂がひろまったためで、民間の「壱材団」への義援金が赤十字より多かった。この財団は俳優のジェットリーが主催するものだ)。
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>▼災害救援物資さえ軍倉庫から消えた
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>広西チワン自治区の軍倉庫からは、軍用のベッド、ハンモックや軍靴類、野戦テント各20万セットと薬品が「もぬけの殻」になっていた。
>こうして密売、転売されブラック・マーケットへ流れる武器・弾薬・燃料・食料・薬品・軍靴など300億元が、おそらくは軍幹部の懐に入り、たとえば側室らへのお手当、子弟の海外留学やら豪邸建設やら宴会費用に化けた。
>
>2012年に大幹部だった谷俊山・中将が、軍用地をデベロッパーに勝手に転売して20億元をくすね、あまりのことに発覚して裁判となって、谷は失脚した。その前任者が前述の王守業・中将で軍出入りの業者からの賄賂をせっせと蓄財していた。
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>ことほど左様にモラルが低下した軍隊がまともに戦争をするだろうか?
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>(休刊のお知らせ)小誌は海外取材旅行のため明日6月1日から9日まで休刊です。
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> 読者の声 どくしゃのこえ READERS' OPINIONS 読者之声
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>(読者の声1)名古屋ならびに愛知県と周辺の愛読者の皆さんへ、ペマ・ギャルボ氏を講師にまねいての記念講演会のお知らせです。
>演題は「民族自決権と中国の覇権主義」
> 1949年、中国はチベットへの軍事侵攻を開始、占領下に。今日までにチベット人120万人を虐殺、財産を奪い反抗する者は容赦なく投獄、拷問している。チベット原産のパンダを政治宣伝に使う一方、自然資源を収奪し、チベット東部を「核」の隠し場所にしているといわれている 。
> 北京オリンピックの頃から、チベット人のデモは徹底的に排除され、チベット人は焼身
>自殺で世界に窮状を訴えている。(4月15日現在で死者198名)チベットの現状を日本のマ
>スコミは殆ど報じず、中国国内の問題として扱っている。
> 記
>とき 6月16日(日)14:30 総会(会員と会員希望者のみ)
> 15:00 記念講演 ペマ・ギャルボ先生 (一般参加は1500から可)
> 【プロフィール】 ペマ・ギャルボ 1953年、チベットのニャロン(現在の中国四川省)生まれ。59年、ダライ・ラマ法王に従いインドへ亡命、難民キャンプで少年期を過ごす。65年来日。亜細亜大学法学部卒業。80年、ダライ・ラマ法王アジア・太平洋地区担当初代代表などを経て、現在、岐阜女子大学名誉教授、拓殖大学海外事情研究所客員教授、桐蔭横浜大学法学部教授などを務める。
> 17:00 終了 懇親会はありません。
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>ところ 名古屋都市センター特別会議室
> 名古屋市中区金山 1-1-1 TEL:052-678-2200
> JR、名鉄、地下鉄金山駅南出口徒歩 3 分
>会 費 1,000円
>申込み FAX 052-763-4588 *当日申し込みも受け付けます。
>連絡先 TEL 070-6583-4588 (服部)
>後 援 日本会議
>主 催 日本李登輝友の会 愛知県支部(重富亮支部長)
> E-mail:info@ritouki-aichi.com
> ホームページ: http://www.ritouki-aichi.com/
>
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>(読者の声2)いささか旧聞ですが、貴誌3月29日の、西尾幹二氏著の書評(『中国人に対する「労働鎖国」のすすめ』(飛鳥新社)に対し、ドイツ在住の(FK生)氏から「西尾さんのような発言はもうすでに時代遅れだ」とする、氏を少々揶揄するような投稿文を目にし、(FK生)氏はもう読まれてあるのか、書評が遅かったかなど内容が気になり馴染みの書店に即発注をかけました。
>何故か日にちを要し、先々週やっと届いた。
>仕事の合間に読んでいたため完読に日を要しましたが(FK生)氏の評は些か解せませんので少々異見を述べさせてください。
>著は(FK生)氏が卑下されるような内容ではなく、帰化人が種々齎している悪しき現状から、日本国の将来を危惧しての警鐘であり、至極ご尤もな見解の著であった。(FK生)氏の評はどうもおかしいと想い、発売日を確認したら4月8日が初版と成っていた。(FK生)氏は著を読まず、又、警視庁が調べた「外国人犯罪検挙状況」等の実情もご存知なく、西尾幹二氏を只管に攻撃の論評をされている。
>と言うことは常日頃より氏と対立軸にある人のような気がします。(FK生)氏が本当にドイツ在住ならドイツの実情も良く分かっておられるはずなのに何故氏を揶揄されるのですか。
>国の成り立ちも歴史の長さも違いうし、属性も違う(FK生)氏の見解は解せません。祖国を捨て日本のために心から貢献してくれた支那人といえば、759年に唐招提寺を建立した鑑真和上くらいしか想い浮かばない。
>偉大な革命家と勘違いされている孫文は、日本人から莫大な活動資金を集めて裏切った単なる詐欺師。周恩来も、蒋介石も皆裏切り者。
>帰化の有無は知らないが「社団法人世界孔子協」会会長の孔健などは生活の基盤を日本国に持ちながら、孔子とは蓮根の糸程度の繋がりでしかなく、人格も別物なのに臆面もなく末裔を売り物にし、「営業同志」宜しく堂々と反日活動を行っている。こんな人物をちやほやする日本人も馬鹿といえば馬鹿だが。
>中国吉林省延吉市出身の張景子に至っては、自己活動の利便性だけで日本国籍を取り、臆面もなく涼しい顔で反日活動を行っている。在所の教育委員会の中にも帰化人がいるが、「尖閣諸島は中国のもの」との認識を示し物議を醸している。過去に、態々帰化して日本国発展のために尽してくれた支那人がいただろうか。
> 中には日本文化に心酔して帰化され、嘘、詭弁を平気で突き通す拡張主義「中共」の本 質を伝え、日本国民に警鐘を鳴らしておられる石平氏や鳴霞氏のような例外もおられるが、他は百害 あって一理無しの奸物ばかりではありませんか。
> 殺人、騙しに嘘かっぱらいが常道の中国人。西尾幹二氏ならずとも、此の侭では日本が危ない、と多くの日本人が感じているは当然のことではないでしょうか。
> (FK生)氏は、日本人になりたがる人に快くとめてもらわないと一旦日本を見捨てれば、もう帰ってこないものだ。そうすると日本はますます困ってしまう」とされているが、元々留学とは、自国発展に貢献するために諸々の、技術、文化等々を他国から学ぶのであって、帰化するために留学するのではないと想います。
> 卒業すれば帰って当然。留学と帰化は別問題ではないでしょうか。
>中国人に対する「労働鎖国」をしても、日本国が困ることは何もありません。東大の件のご指摘は仰言る通りで、実に愚かなこと想います。
> (TK生、佐賀)
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