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>「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
> 平成25(2013)年8月28日(水曜日)
> 通巻第4006号 (前日発行)
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> 薄煕来の相棒、腐敗の象徴=周永康が近く逮捕
> 家族はみんな米国へ逃亡済み。いまや「裸官」の象徴的存在
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> 薄煕来の相棒でもあり、腐敗の象徴とされた周永康(前政治局常務委員)は薄事件に連座して近く逮捕される模様と博訊新聞網(8月23日)が伝えている。
> 周は胡錦涛執行部の後期、江沢民の推挽で政治局常務委員(序列9位)に潜り込んだ権力亡者で、いたって評判の悪い政治家である。
>
> 周永康(71歳)はもともと資源開発専門、石油畑をあるき、98年に資源部長(閣僚)、2000年に四川省書記に抜擢され、四川省の資源利権を抑えたといわれる。
>2002年に中央政治局入りし、公安部長兼任。ハッカー対策の傍ら中国のハッカー部隊を育成し、米国並びに同盟国の政府、軍、企業にさかんにハッカー戦争を仕掛けた張本人と見られる。
> 17期党大会で政治局常務委員入りし、胡錦涛の政策と対立、また薄煕来とは「愛人を分け合った」ほどの同盟関係を結んでいたため、薄事件の連座で失脚説が数十回、数百回も流れたが、現時点で逮捕されていない。
>
> 「裸官」とはひとりだけ中国に残っても、汚職などで得たカネもろとも家族、親戚、愛人らは米国やカナダ、豪に逃げてしまった共産党高官を指し、腐敗の権化とも云われる。
> 周の息子の周文武はすでに米国滞在八年におよび、その妻の王腕は同十三年、すでに王の父母は米国に移住しており、しかも周一家は米国籍を取得していると博訊新聞網が報じている。
>
> (註 周の息子の周文武の「文武」は一文字)
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> ◆書評 ◇しょひょう ▼ブックレビュー ■ BOOKREVIEW
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> 日本の朝鮮統治の総括は、戦後かくも歪められてきたのか
> 公平に客観的に朝鮮統治を比較検証すれば、九割が公平だった
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>ジョージ・アキタ、ブランドン・パーマー著 塩谷紘訳
>『日本の朝鮮統治を検証する 1910−1945』(草思社)
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> 画期的な、しかもアカデミックな歴史検証の書物がでた。
> 米国の学者が、客観的な歴史の事実を踏まえて、これまでの俗説に挑戦したのだ。本書は日本の保守層にとって必読の文献となるだろう。
> 日本の朝鮮統治は「殆どが公平におこなわれた」とする結論は、アメリカの歴史学会では異例、おそらく左翼陣営やリベラルなマスコミから「修正主義者」のレッテルを貼られるであろうが、その学者生命を賭けた勇気に私たちは瞠目する必要がある。
>そして、この本が世界で広く読まれることを真摯に望みたいのである。
> 小誌の読者にはいまさら説明の必要はないであろうけれども、日本の朝鮮統治が「帝国主義的な侵略だった」とか「残忍」とか「植民地主義による収奪」とか、でたらめなことをいってのけてきた左翼学者、ジャーナリストによって、いまも多くの日本人は『洗脳』されてしまったままである。
> しかし客観的事実を注意深く遡及し、慎重に比較検証してみれば、それこそが「穏健かつ公平、現実的にして、日朝の相互発展を目指」していたことが分かる。その事実を、しかしながら絶対に受け入れない国々がある。
> そして「朝鮮、韓国系の人々が往々にして極端に偏見に満ち、反日的な歴史の記憶をあえて選択して記憶に留める傾向を、少しでも緩和するお手伝いをするべく努力してきた。その中で非常に印象的だったのは、朝鮮の近代化のために、日本政府と朝鮮総督府が善意を持ってあらゆる努力を惜しまなかった」のである。
> 書かれるべくした書かれた歴史のダイナミックな検証である。
> 「フランス領カンボジアでは、1944年に就学対象児童の20%以下しか学校へ行けなかった」
>いや、そればかりか「ベトナムに於けるフランスの教育的実績も寂しい限りだ」とする著者らは、就学率が10%以下であったうえ、『植民者』と『被植民者』との差別があった。つまり別々の学校へ通わされていた事実を淡々と書く。
>日本統治下の朝鮮、台湾で、そういう露骨な差別はなかった。
> 「フランス領西アフリカの教育制度はベトナム以下のレベルだった」
> 「イギリスの植民地における教育実態は功罪相半ばした。大半が間接統治」でなされ、「現地の伝統的なエリート集団に日々の実権を委ね」た。
> イギリス統治のインドの識字率は12%だった。
> 「イギリスとフランスがアフリカで施した教育の主眼は、現地人の学生達を労働者や活動的な市民にすることではなく、従順な農民にすることだった」。
> 「ポルトガルの植民地教育は、文化的同化に焦点を絞った」。けれども「学費が極端に高く、実際に通学できた子供達はごく僅かだった」
> 「ベルギー領コンゴの教育はすべての植民地の中で最悪だった」
> すなわち「日本は決して植民地の生き血を吸うバンパイアではなかった」
> 朴大統領、播国連事務総長にも、この本を届けたい。
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> ◆書評 ◇しょひょう ▼ブックレビュー ■ BOOKREVIEW
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>青木直人『安倍晋三が第二の田中角栄になる日』(KKベストセラーズ)
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>
> 極めつきにジャーナリスティックな題名である。しかもまったく性格も教養も異なる田中角栄と安倍晋三を比較して、その政治スタイルを論じつつ、日米関係、日中関係を展望する。随所に独特な(トいうより独断と偏見に満ちた)青木流の世界情勢分析が加味されている。
> 田中角栄の訪中と日中国交回復という拙速外交は日本の外交史に汚点を残したが、青木によれば、田中角栄は媚中派ではなく、むしろ日本の独走を知ったキッシンジャーが「ジャップ」と舌打ちしたとか。
> 引き続いて大平政権は、中国にずぶずぶの経済援助と料金未払いを新しい借款でごまかすという政商としての政治に徹した。この巧妙かつ屈辱的な対中援助はバックマージンなどによって日本の政治家も潤したという説が有力だったが、青木によれば、アメリカ政界も潤ったという解釈をとる。
>またTPPには中国が加盟すると予測している。
> 結論的に「日米同盟」に依存する日本は、アメリカが舞台裏で根廻している「米中同盟」という国難に遭遇し、田中の二の舞を演ずることになるとやぶにらみな警告を強く発する、じつにユニークな仕上がりとなっている。
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>宮崎正弘の最新刊 三刷出来!
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> 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム
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>樋泉克夫のコラム
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>
>【知道中国 955】
> ——「お酒は飲み放題である」・・・これを太平楽という(柳田の11)
> 「北京」(柳田謙十郎 『世界紀行文学全集』修道社 昭和46年)
>
>
> ▽
>柳田は「国家の要人まで新中国建設のためにこの人たちと同じ服装をしてはたらいているのだから何の不自由をもらす理由もない。彼らも心からよろこんで毛沢東政治を謳歌している」と高らかに綴っている。だが、「国家の要人」に接して、彼らと「この人たち」の着ているものが同じだと本当に思ったのだろうか。人民服にしても、デザインは同じでも生地が違う。片方が最高級なら、片方は綿の洗いざらしだったはずだ。
>
>「彼らも心からよろこんで毛沢東政治を謳歌している」などと、よくもまあヌケヌケといえたものだ。開いた口が塞がらないとは、こういうことを言うのだろう。
>
>児童病院からの帰路に古本屋に立ち寄った柳田は、「娘(東大の研究室で今東洋史を専攻している)もほしがっていることを思い出し、それを買う決心をした」。「それ」とは「二十四史」のこと。『史記』からはじまり『明史』まで歴代王朝が編纂した正史を集大成したもの。
>共産党的感覚でいうなら、封建王朝が自らの支配の正統性を主張した反人民史観に貫かれている反人民的歴史書となろうはずが、そうはならない。
>
>中華民族の偉大さを記した偉大な文化遺産と位置づけられるわけだから、莫明其妙(チンプンカンプン)。とどのつまり共産党も"偉大な中華民族"というカラクリから抜け出せず、それを頼ることになる。
>
>さて柳田に戻るが、「娘(東大の研究室で今東洋史を専攻している)」とカッコつきでゴ自慢の娘を紹介し、単なる親バカぶりを世間に曝している。だが、その程度なら害はないが、その先が大問題だ。
>
>「値段は定価はんばいで全くかけにしない。これは何処へいっても何を買ってもみんなそうである」と記した後、かつては「百円のいいねを一円にまけたなどということが日常のことであった中国が、わずかの間にこんなにもかわってしまう。昔の中国だけしっている人はおそらくほんとうにはしないであろう。だがこれは動かすことのできない現実の事実なのである」とした後、汚れた部分やら書き込みの有無を「わざわざ見せて私の了解をもとめる」「本屋の親父」の接客態度に対し、「何という親切さなのであろう。何という誠実さなのであろうとほとほと感心してしまう。これも政治の力である。よい政治とわるい政治とではこんなにも人間がかわってく
るものかとつくづく感心せざるを得ない」と、毛沢東政治の素晴らしさを大々的に称揚してみせた。
>哲学者変じて毛沢東教徒、いや狂徒だ。
>
>さらに言うに事欠いてか、「私は元来政治がきらいで、くされ切った日本の政治を見ていると、もう政治のことというと考えることさえもいやになっていたが、こう見てくると、世の中に政治ほど大切なものはない。やはりいやでも何でも政治のことはもっと関心をもたなくてはならないと思う」と言い切った。
>まさにバカにつける薬はなさそうだ、
>
>その日午後、「北京近郊にある農業合作社を視察」し、「毛首席の力によって・・・農奴状態から解放され、全村民がみんな平等に自作農になった」という説明を何の疑いもなく書き連ね、「ここでもよい政治というものがどんなに農民の生活をゆたかにし、その人間を一変させてゆくものであるかということが明らかに示されている」と大絶賛した後、「日本の農民は戦争以来の悪政のために、だんだんと人が悪くなり、利己的打算的となって、田舎の純朴さなどというものは今はもうどこへ行ってもほとんど見られない」と日本の農民を小バカにしながら、「むしろ都会の知識人の方が物わかりがよくて話がしやすい」し、「ウクライナのコルホーズといい、
ここの合作社といい、実に農村らしい素朴なあたたかさにあふれてなつかしい」などと、"知的幇間ぶり"を存分に発揮する。(「首席」は原文のママ)
>
>彼の代表作とされる『弁証法入門』に「真実のよろこびというものは深いかなしみの経験のないものには味わうことができない」とあるが・・・嗚呼、痴的弁証法。トホホ。
>《QED》
>
>
>〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
>【知道中国 956】
> ——「お酒は飲み放題である」・・・これを太平楽という(柳田の12)
> 「北京」(柳田謙十郎 『世界紀行文学全集』修道社 昭和46年)
>
>
> ▽
>柳田は自分が視察した北京近郊の農業合作社で聞かされた説明をそのまま鵜呑みにし、当時の中国で国民の圧倒的多数を占めていた農民が「一九四九年毛沢東首席の力によって」「農奴状態から解放され」、「みんな平等に自作農となった」と思い込み、北京近郊の農村での出来事が中国全土でも起こっているかのように拡大解釈し"吹聴"する。
>
>かくて多くの日本人も、そう思い込んだ、思い込まされた、いや思い込まざるをえなかったというべきだろうか。それというのも毛沢東が国境に沿って目に見えない「竹のカーテン」を設け、完全なる情報統制を布き、自分たちに都合のいい情報しか流さなかったからだ。柳田が日本にもたらしたのは、共産党官製情報でしかなかったということである。
>
>それにしても当時中国を訪問——つまりアゴ足つきのゴ招待に与った柳田をはじめとする進歩派を僭称する多くが、主席と首席とは違うにもかかわらず「毛沢東首席」と記すことが不思議だ。
>主席も首席も大差なし。その程度の中国認識にすぎなかったのだろう。
>
>それはともかく、かくて日本人の多くは、毛沢東に孔子が説く理想的な聖人君主像を重ね合わせ、毛沢東率いる中華人民共和国を道義国家と看做すという最大級の過ちを犯してしまった。そこに、中嶋嶺雄が力説し警鐘を鳴らし続けた「位負け外交」の原点がある。そうなった要因が柳田一人にあるわけはない。だが、柳田もインチキな中国観を当時の日本に振りまいた旗振り役の一人であることに変わりはないはずだ。罪は重い。
>
>いま戦争責任の有無やら戦争そのものを云々しているのではない。
>相手の"正体"を如何に捉まえるかの問題を考えているのだ。小林秀雄の口吻に倣うなら、「相手を征服するのに相手を真に理解し尽くすという武器より強い武器はない」ということになるだろう。つまり「位負け」しないためには、如何にして「相手を真に理解し尽くす」か。この一点に帰着するように思える。中国のみならず、韓国、アメリカ・・・すべてそうだ。
>
>そこで試みに「毛沢東首席の力によって」「農奴状態から解放され」、「みんな平等に自作農となった」といわれる土地改革について考えてみたい。
>
>有史以来、巨大な農業社会であり続けた中国にとって、富の源泉である土地を握る地主層が一貫して社会の根幹をなしていた。巨大な中華帝国を緻密に設計された官僚制度が動かしてきたが、官僚は科挙試験によって地主層からしか選ばれなかった。日がな一日農作業に励む農民に超難関試験を突破することは不可能だろう。
>
>だいいち農民は字を知らない。知る必要がなかった。圧倒的多数の農民=老百姓(じんみん)は、土地をテコにした地主の下に置かれていた。いわば地主層は、官僚を供給することで中華帝国の支配機構を手中に納める一方で、農民を搾取することで富を収奪し、その富で官僚を輩出してきた。中華帝国の中核は皇帝にあるのではなく、その屋台骨を支えてきた地主層にこそある。
>
>——こう考え、毛沢東は中国社会の根幹を地主と看做した。地主こそ敵だ。敵を殺せ。殺して土地を巻き上げろ。土地を巻き上げてしまえば、天下は共産党のものだ、である。
>
> 革命とは貧乏人が立ち上がって地主から土地を奪い返すことだと宣伝し、無頼漢を焚き付けて地主を徹底して痛めつける。毛沢東が土地を与えてくれたと、農民は毛沢東を崇め奉った。かくして地主は「(人民)死刑の判決があってから、すぐに人民の前で執行」され、「みんなはそれを見ている」。「農民たちは『地主千人を殺すことは蟻一匹殺すほどにも思っていない』とうそぶく」のであったと、戦前に四川省の地主の息子に嫁ぎ、現地で土地改革を経験した福地いまが『私は中国の地主だった』(岩波新書 昭和29年)に綴る。
>
>北京の近郊でも多くの地主が「蟻一匹」以下の殺され方をしたことに、果たして柳田は思いを及ぼしたであろうか。「お酒は飲み放題である」・・・柳田は安酒に酔い痴れた。
>《QED》
>
>〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
> さらに続きです
>〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
>
>【知道中国 957】
> ——「お酒は飲み放題である」・・・これを太平楽という(柳田の13)
> 「北京」(柳田謙十郎 『世界紀行文学全集』修道社 昭和46年)
>
>
> ▽
>北京郊外の農村視察から戻った夜、柳田は「亀田東伍氏に案内されてその旅宿を訪ねる」。
>亀田は日本平和委員会常務委員で敗戦直後に日本共産党に入党している。昭和27(1952)年秋のアジア太平洋地域平和会議に出席して以来、北京に在って対日与論工作の最前線で蠢いていたわけだが、その一環が『中国の建設 ——第一次五ヶ年計画の時代——』(岩波新書 1956年)といっていいだろう。
>
>この本で亀田は、「一般的にいって、中国共産党、各級人民政府、人民革命軍事委員会系統、大衆団体の幹部は、革命的伝統を守って、廉潔・素朴であり、誠心誠意人民に服務してきた。その、私心のなさ、廉潔さは、実に中国歴史始まって以来のものとして、深く人民の信頼を得ていた」と、まさに「道義国家」のイメージを振り撒くことに専心している。
>
>亀田の北京滞在は中村翫衛門や金子健太と同様に事実上の政治亡命といえるが、柳田は
>亀田を例に「正義の事業を守ったり、平和運動に参加したり、科学工作を行ったために迫害をうけた外国人にはすべて居留する権利を与える」共産党政権の素晴らしさを讃える。
>
>亀田の北京滞在は長期に及んでいる。そこで「私たちのような一時的な旅客とちがって、私たちほど優遇されつづけてはいないだろうし、そんなことは事実上不可能であろうと想像し」ながら「行って見るとそれどころか実にすばらしく待遇されていた」のだ。
>
>亀田は「北京飯店という中国一流の旅館の二階のいちばん便利なところに一室をあたえられているが、その部屋は私のとまっているホテルの室よりはズッと大きく設備もよく、しかもバス付である」そうな。ここまでは何の変哲もない記述だが、これからがイケナイ。柳田の見下げ果てたような下卑た根性が顔を出してくる。
>それというのも、「亀田氏は夫人を日本にのこして一人やもめぐらしであるというのに」と綴った後に、「ダブルベッドがおかれていて(かといってもちろん異性を引き入れているわけではない。今の中国にはもはや一人のパンパンもいなくなっている)洋服ダンスなどは日本の二倍もあるようなものがデンとすえつけられている」と、わざわざ括弧で注記しながら続けるからだ。
>
>異国での「一人やもめぐらし」⇒「ダブルベッド」⇒「異性を引き入れる」と連想を逞しく巡らせる俗物性、貧困な発想、愚劣で拗けた心根もさることながら、こういった一種の"仲間の内輪話"を『我が真実への旅』などと銘打った著作に正々堂々と書き連ねる無神経さ、下劣さにはホトホト呆れ返る。やはり、文は人であり志であるということだろう。
>
>かてて加えて柳田は「今の中国にはもはや一人のパンパンもいなくなっている」と主張する。
>だが、柳田訪中の1年後に中国に招かれた火野葦平が広州の一角の「暗い川っぷちにたくさんの淫売婦が出ていた。どの女にもやり手婆がくっついていて、客を引くありさまは昔とすこしも変わらなかった。相当の人数である」と、『赤い国の旅人』(朝日新聞社 昭和30年)に綴っているところからして、柳田の主張がウソであると指摘できそうだ。
>
>柳田は「日本にいる間の亀田氏はナッパ服を着た一介の労働者だったが、今はもうりっぱな大人(たいじん)である」と持ち上げる素振りをみせながら、そうなったのは亀田の「人格と才能による点ももとよりあろうが」と断った後、「中国のふところの大きさ、その政治の一貫した正しさにもとづくものといわなければなるまい」と厭味タップリに記す。
>
>時に「亀田氏」、時に「亀田君」と書き分けながら、「昔の亀田君ももとよりりっぱな人ではあったが、今日はほんとうのコムミュニストとしてスッカリみがかれている。真の共産主義というものはこういうものかと敬服させられる」と記し、亀田訪問記を閉じた。
>
>現在はともあれ過去の亀田を「ナッパ服を着た一介の労働者」と見下す柳田の目線に、当時の中国礼賛者に共通する形容し難い高慢チキで下卑たエリート臭を痛感する。
>《QED》
>
>
>(宮崎正弘のコメント)この柳田謙十郎というテツガクシャは、われわれが学生の頃、よく本が売れていたのですが、いまや誰も顧みない。というより名前さえ思い出せないでしょう。
> ○
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> 読者の声 どくしゃのこえ READERS' OPINIONS 読者之声
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>(読者の声1)貴誌4005号(8月21日付け)にミャンマーの麻薬王の記事がありました。
> シャン州の州都チェントンに3回ほど行ったことがあります(今は通行できなくなっているようです)。
>交通はメーサイ/タチレク泰緬国境からチャーター車で5時間くらいかかります。緬シナ国境のモンラーにはさらに4時間程度。この道はシナとタイを結ぶ南北回廊の一部(南北回廊はラオス経由とミャンマー経由がある)で、タイ企業が綺麗に舗装していました。
>チェンマイからメーサイは5時間程度です。チェントンにはタイヤイ族が多く(シナ人、アカー族、ビルマ人、ヒンズーインド、ムスリムインドほか、少数民族の見本市の如し)、タイヤイ族は色も白くタイ語の方言を使います。タイヤイ族にはアユタヤの山田長政の残党がミャンマーに逃れ、北のタイ語が通じるチェントンまで移動して住み着いたとする伝説が残っています。顔は日本人そっくり。
>チェントン出身の娘は結構、チェンマイ(昔のランナー王国の首都、泰)の置屋(ビルマ人なのでカラオケで働きにくいらしい)で働いています。自分の経験では、彼女らは自分らをメーサイ出身(表向き、ビルマ人とはいえない)という場合が多いです。
>昔、内乱軍の拠点となったチェントンホテルにも宿泊しました。
>ヤンゴンのセドナホテルと同じ様式の造りです。セドナホテルをみたときにチェントンホテルを思い出しました。チェントンからさらに緬シナ国境のモンラーも見に行きました。モンラーはカジノと売春の街で、当時(2006年頃)はカジノホテルは閉鎖され、売春と賭け事とゲテモノレストランの町(タイのオカマショー、シナのストリップショーもあった。ガイドによれば、それ昔はロシアのストリップショーがあったらしい)でした。
>モンラーには麻薬博物館があります。クンサーの大きな肖像画が飾られていました。クンサー賞賛です。
>またタイのチェントンの北4-5時間ほどのところ(タイ国内)にパーイという街があります。そこは観光シーズン(11-2月)には西洋人が人口のほとんどを占めます。
>そこに国民党残党のシナ人村がありました。パーイには日本人の若者(?)もパーイ郊外に住んでいるようです。
>確証はなにもありませんが、おそらくマリハナでもやっているのかもしれません。憶測のみですが、それ以外はなにもないところです。しかし、表向きはパーイはスピリチュアルな街で、西洋人が滝で座禅を組んでいたりします。シーズン中の気候は暑くも無く寒くも無く、空気もよく、快適です。
>もうひとつ。チェントンの某ホテルに宿泊したときに、オーナー(ヤンゴンで警察官をして今は引退。情報機関に通じているかどうかは不明)の話。
>戦争中、彼は日本軍の将校にかわいがられていた。その日本軍将校はハンサムと優しい人だった。戦後、英軍が来て捕虜になった。英軍は、その優しい将校のところに毎日来て、「日本では捕虜は恥ではないのか!」と繰り返しいって、机の上に銃を置いて帰った。毎日・毎日・・・・そしてある日、その将校は自殺したとのことです。彼は自殺しなかったら、彼はまだ生きていただろうと言っていました。
>優しくて良いひとだったのにと繰り返していましたよ。わたしはアーロン収容所の「アメーバ赤痢の蟹」の話を思い出しました。
>西洋人というのは、ゲームのルールに則って、汚いことをやるものです。捕虜虐殺じゃないですか。故橋本総理はロンドンにまで行って、英国に謝罪する必要など毛頭なかったのです。
> (R生、ハノイ)
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> 宮崎正弘の最新刊 宮崎正弘の最新刊 宮崎正弘の最新刊
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>『中国の「反日」で日本はよくなる』(徳間書店、1000円 税込み)
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>『習近平が仕掛ける尖閣戦争』(並木書房、232p、並製。定価1575円)
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><宮崎正弘のロングセラーズ>
>『現代中国 国盗り物語———かくして反日は続く』(小学館101新書、定価756円)
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>『中国権力闘争 共産党三大派閥抗争のいま』(文芸社、1680円)
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>『中国が世界経済を破綻させる』(清流出版、1680円)
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><宮崎正弘の対談シリーズ>
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>『日米安保、五十年』(西部邁氏との対談。海竜社、1680円)
>『世界が仰天する中国人の野蛮』(黄文雄氏との対談。徳間書店、1575円)
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