2013年10月1日火曜日

Fw: 宮崎正弘の国際ニュース・早読み(上海自由貿易実験区が開業したが)

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>「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
>平成25(2013)年9月30日(月曜日)貳
>      通巻第4033号  
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> まだ自由貿易区の実験? 上海自由貿易実験区がオープンしたが
>  進出した外国銀行はわずか二行、李克強首相は欠席
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> あまりの寂しさに李克強首相は開所式を逃げ出したのかも知れない。
> 29日、上海の浦東新区に開設された「上海自由貿易実験区」の開所式が行われた。
>しかし期待の高さとは裏腹に、シティグループとDBS銀行(シンガポール)の二行しか、この自由貿易実験区に進出した外銀はなかった。
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> これは屋外屋を重ねるような、不思議な特区で、いったい何がどう緩和されるかも殆ど明示されないまま、上海を金融センターに一日も早くしたいために突貫工事が行われてきた。
>空港から浦東金融街まではすでにリニアカーも繋がっているが、いまひとつ共産党が主張する緩和、自由化の条件が明確でないために、外国銀行は進出をためらうのだ。邦銀が一行も進出しないのは、懸命と言うべきかも知れない。
>            ☆
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> 樋泉克夫のコラム  樋泉克夫のコラム  樋泉克夫のコラム
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>樋泉克夫のコラム
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>【知道中国 972】           
>  ——「・・・うっかりものもいえんなあ、と誰かが笑った」(火野の3)
>   「赤い国の旅人」(火野葦平 『世界紀行文学全集』修道社 昭和46年)
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>  ▽
> 7人の案内人(=監視役)の中に1人、意外な人物がいた。柳田が揶揄していた例の亀田東伍である。些か穿った見方をするなら亀田が火野ら日本人一行を監視し、その亀田を中国人案内役が監視し、さらに亀田が中国人案内役を監視する。まさに親亀の背中に小亀を乗せて、小亀の背中に孫亀乗せての伝で、一行の旅は相互監視の旅でもあったに違いない。
>
> 最初の停車駅は石龍。構内に並ぶ露店に入ってみると、「店の中の壁に『滅縄数字公? 表』というのが貼ってある。蠅をころした個人の成績表である。店にはいずれも蠅たたきがかけてあった」。
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> これまで戦前に書かれた多くの中国旅行記を紹介したが、例外なく"支那の汚なさ"に言及していたことは記憶されていることだろう。共産党政権が新中国、新中国と騒いだところで、公衆衛生に無頓着極まりない彼らの習性を一朝一夕で"革命的"に改められるわけがない。そこで共産党政権は「愛国公約」を定め、個々人に署名までさせさて中国人の衛生観念の向上に努めたようだ。つまり「滅縄数字公?表」は、その一環だろう。
>
> ところで、火野らの訪中から3年後の58年、毛沢東はゴリ押しする形で無謀極まりない大躍進政策を推し進めたが、その年の2月、共産党政権は「四害を駆除し衛生を講ずることに関する指示」を公布し、10年以内に蠅、蚊、鼠、雀の「四害」を徹底駆除する"大方針"を打ち出し、四害とそれが原因として発症する疫病に対する"大宣伝戦"を始める。職場、学校、農村などで週、月、年単位で成果を点検するなど、全土を挙げての四害駆除運動が華々しく展開されることとなった。
>
> 殊に雀の場合、人間サマにとって大事な穀物を喰ってしまうということで「臭虫」と呼び変え、徹底駆除運動となった。
>雀を見つけたら、総勢で鍋や釜を叩き音をたてて驚かせる。電線に止まろうものなら、ガンガンと。雀はおちおち休めないから飛び立つ。疲れて電線へ。またガンガン。そこで飛び立つ・・・これを繰り返すうちに奔命に疲れ果てた雀は地上に落下し捕獲される。これが全人民を挙げた人海戦術による四害退治の実態だ。
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> だが雀退治の戦果が上がるにしたがって、肝心の穀物に対する害虫被害が増大した。この時点なって、雀は臭虫などではなく穀物に害を与える益鳥だと気付く。かくして雀退治は即刻中止となり、雀の名誉は回復された次第だ。実にモノゴトの道理を弁えない連中だ。
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> この調子で反右派闘争からはじまり、大躍進、社会主義教育運動、文化大革命と挙国一致しての大騒動。その先に現われたのが?小平による「先富論」、つまり「商才の有るヤツはどんな汚い手をつかっても構わないからカネ儲けせよ!」の大号令となる。商業民族としては願ったり叶ったり。?小平サマサマだ。
>天下御免、カネ儲け万々歳。どうやら建国以来の中国に最も似つかわしい形容が"喧噪"で、相応しくないのが"静謐"の2文字。
>
> 再び火野の旅へ。しばらく進むと「部落にはどこも高い望楼様の塔がある」。若い案内人は「あれは昔地主が搾取していた時代は、農民の反抗をふせぐためのトーチカだったけれど、今は肥料倉庫になっていますと教えてくれた」が、この説明はおかしい。
> 
>火野が綴る車窓から見える農村風景から判断すると、どうやら線路の両側に広がる田畑で働いている農民は客家のようだ。客家は先住者の住む農山村一帯に後から移住してきただけに、先住者からするなら自分達の権益を侵す不埒モノであり"異質"な存在である。
>いわば広東の農村に出現したエーリアンということになる。そこで先住広東人農民は客家農民を攻撃する。これに対し少数者の客家はレンガで要塞のような集合住宅を建て自衛手段に打って出る。
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>おそらく火野が目にした「高い望楼様の塔」は「農民の反抗をふせぐためのトーチカ」ではなく、客家の集合住宅が備えた自衛用の望楼だったはずだ。
>《QED》》
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> 読者の声 どくしゃのこえ READERS' OPINIONS 読者之声
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>(読者の声1)学徒出陣70周年戦没学徒追悼会のご案内です。大東亜戦争がいよいよ苛烈を極めてきた昭和18年秋全国の青年学徒が祖国の危急を救わんとペンを捨てて剣をとり戦場へ赴きました。その学徒出陣から満70周年を迎える今年、出陣学徒壮行会が行われた10月21日場所も神宮外苑競技場(現在の国立競技場)において戦没学徒追悼会を開催します。どなたでも参加できますのでご案内いたします。
>         記
>日時  平成25年10月21日(月)12:00〜12:30
>場所  「出陣学徒壮行の地」碑前
>    東京都新宿区霞ヶ丘町10−2
>    国立競技場マラソン・ゲート内
>    地下鉄・大江戸線「国立競技場」徒歩1分
>    JR「千駄ヶ谷」、「信濃町」徒歩5分
>内容  黙祷、献花、追悼挨拶など
>主催  海軍第14期飛行予備学生の会
>    早稲田大学出陣学徒の会
>    慶應義塾戦没者追悼会
>    その他各大学OB有志
>連絡先 実行委員会代表
>    玉川博己 (弊会代表幹事)
>    E-mail tamagawa@mishima.xii.jp
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>  ♪
>(読者の声2)貴誌に三分載されたネパール紀行を興味深く拝読しました。もう少し続くかと思ったのですが、唐突におわった印象で、カトマンズではほかにも世界遺産やら、見所がたくさんあると思いますが、あれでおしまい?
>   (HG生、埼玉)
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>(宮崎正弘のコメント)書き出したら際限がないので、暫時休憩というところです。ほかにもパタンのダルバール広場にある世界遺産の寺院群、ボダナートのチベット寺院(これも世界遺産)など拝観しましたが、ともかく来年早々にアセアン十ヶ国と番外編ネパール、スリランカにドバイなどを加えて『アジアは中国が嫌い』(仮題、或いは『中国よ、さようなら。アジアよ、こんにちは』)としての新刊を準備しておりますので、細部はそのときに書き込みます。
> いずれにしましても、インドネシア、マレーシア、ブルネイ、ラオス、タイ、フィリピン、カンボジア、ベトナム、シンガポールの九カ国については『エルネオス』で連載し、また各国のチャイナタウンの実情は『共同ウィークリー』で連載中。ときおり、別の印象記も『月刊日本』に分載してきました。今月末にミャンマーを取材しますが、これでアセアン十ヶ国取材は一応終わります。番外編はスリランカ、ネパール、そしてドバイなどです。単行本のときは、これらにインド、バングラデシュ、パキスタンを加える予定です。
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><<< 宮崎正弘の論文掲載誌、今後の予定 >>>
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>(1)「チャイナ・プラス・ワンを往く<8>ラオスの巻」(『エルネオス』30日発売)
>(2)「中国経済の深い闇」(『新日本学』秋号、拓殖大学日本文化研究所、発売=展転社)
>(3)「アジアで孤立するのは中国」(『北国新聞』、コラム「北風抄」、10月7日号)
>(4)「スリランカにはチャイナタウンがない」(『共同ウィークリー』、10月8日号)
>(5)「パンダは犬だった」(『月刊日本』十一月号、10月22日発売)
>(6)「連載<5>思い出の人々 三島由紀夫」(『撃論プラス』冬号。11月発売予定)
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