2011年9月26日月曜日

Fw: 峰崎直樹「官邸お庭番日誌」Ver.2第4号

>皆さんこんにちは!峰崎直樹です。
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>官邸お庭番日誌Ver2第4号 
>2011年9月26日
> 臨時国会が延長され、いよいよ今週からは衆参の予算委員会で総括質疑が始まる。代表質問だけで
>はどうしても一方的な質問と型どおりの答弁だけで、言いっぱなし、聞きっぱなしとなって、いまひ
>とつ論戦に迫力がなくなるのだが、予算委員会の質疑はまさに真剣勝負の場であり、大臣の答弁能力
>も厳しく問われるし、スキャンダルの暴露にもさらされる。野田内閣の今後の展開がどのようになっ
>ていくのか、予算委員会の論戦に注目したい。
>■復興財源の捻出、「ちゃぶ台返し」はやめるべきだ
> さて、東日本大震災の復興に向けての第三次補正予算の策定に向けて、政府及び民主党内での論議
>が進められつつある。当初はもっと早く提出する予定であったのだが、菅政権から野田政権への移行
>という政治過程もあり、10月の中旬頃に国会提出となる見込みという。この第三次補正については自
>民・公明の両党は成立に向けて協力する意向は示しているものの、民主党内の取りまとめに注目して
>いる。民主党は復興財源について10兆円台という大規模のものになるため、五百旗頭委員会の提言に
>基づき、基幹税である所得税などで復興債の財源手当てを行うこととしている。問題は財源の調達に
>当たって増税額を圧縮していくために、一時的に捻出できる財源を確保すべく国有財産の売却や埋蔵
>金の発掘などに努力した上で、政府税調が(A)案、所得税・住民税と法人税増税(B)案、所得税・住
>民税、法人税に加えたばこ増税(C)案、消費税増税の三案とともに、何年間かけて償還していくのか、
>という点でも5年案と10年案を提起して野田総理大臣の判断を仰いだところ、A案で10年かけて償還し
>ていくというものであった。もちろん、この政府税制調査会がこのような案を決めていく過程でも、
>増税に対する批判的な意見も出されたことは事実であるが、今更復興に向けての基本方針を覆す「ちゃ
>ぶ台返し」もできない中での結論としては、概ね妥当なものと言えよう。
>■民主党税制調査会の設置、政府はきちんとした説明責任を
> 問題は、この野田総理の判断に対して、民主党の税制調査会での論議である。政権交代によって、
>一度は民主党税制調査会が廃止され、政府税制調査会へと一本化されたのだが、昨年の菅政権誕生と
>ともに政策調査会が復活し、党税調も名称こそ税制改革プロジェクトチームと党税制調査会の復活と
>取られないような配慮がなされたものの、秋の平成23年度税制改革論議においては、まことに激しい
>議論が展開され、名称は別として実質的には自民党時代に近い党税制調査会の復活がなされていたほ
>どの盛況ぶりであつた。各議員の発言も、個別省庁や個別業界・団体の利害を色濃く帯びたものにな
>り、かつてあれほど厳しく批判していた「族議員」の再現と見る向きもあった。特に、政権交代によ
>って新しく当選した議員の発言が目立っていたことが特徴で、最初に当選した直後の税制論議に比べ
>れば、雲泥の差があつたことも指摘しておきたい。その流れは、社会保障・税一体改革の取りまとめ
>の際にも、消費税を増税することに対して激しい批判が展開されたことは記憶に新しい。その延長上
>に、新しく発足した党税制調査会の場でも復興財源について増税批判が展開され、その結論が今週の
>月曜日の総会の場で論議されることになっている。
>■第三次補正予算作りは、「前門の虎、後門の狼」が待ち受けている
> 税制調査会役員会の取りまとめの方針として、A案ではなくB案に加え,たばこ税と相続税の引き上
>げを入れて所得税の負担を軽くさせようとしているし、所得税の引き上げは2013年度(住民税は2014
>年度)から、と1年間猶予を持たせている。この方針が、党税制調査会の方針としてまとめられるのか、
>どうか予断を許さないのだが、仮にまとまったとしても待ち受けているのが自民・公明両党との合意
>をどのように取り付けられるのか、ということにかかってくる。表現としては適切ではないが、野田
>内閣にとっては「前門の虎、後門の狼」といったところであろうか。かつて野党時代の民主党税制調
>査会の場で取りまとめていた「税制改革の基本構想」(2007年12月)や「税制改革アクションプログラ
>ム」(2008年12月)など、政権交代に向けて準備してきた論議は残念ながら十分に考慮されているとは
>いえない。選挙を抱えている政治家にとって、増税が禁句となっており、1979年の大平総理大臣の
>「一般消費税」のトラウマが残念ながら政界に根強く残っているし、その後の消費税の導入や増税に、
>国民が下した厳しい審判の歴史が追い討ちをかけていることも指摘しておくべきであろう。
>■消費税の引き上げはデフレ化でこそ必要では
> この間の党内外の消費税を中心にした増税論議の中で、考えてみたいと思うのは景気との関係である。
>一つはデフレであり、デフレ下の増税はありえない、という批判とともに、同じことなのかもしれない
>が、景気が上昇しなければ増税できない、という点である。
> デフレ下の消費税引き上げは、原則としてすべての商品価格を、税率分だけ価格転嫁を通じて引き
>上げることになるわけで、消費税率に応じて価格上昇が進む(インボイス導入すれば転嫁の確実性が高
>まる)。そのことは、消費者物価の上昇をもたらし、その物価上昇分は賃金や公共料金などに跳ね返り、
>デフレ基調からインフレ基調へと転換する。しかも、現在の財政状況から誰しもが考えているように、
>消費税の引き上げは一度だけで終わるものではなく、段階的・継続的引き上げを進めていくことによ
>って、引き上げに伴う景気変動への影響を抑えることも可能となろう。デフレであるからこそ消費税
>増税ができるのであり、インフレ基調の下では価格上昇に弾みがつきインフレを加速させてしまう弊
>害が出てくる。問題は、消費税引き上げによって可処分所得が減少し、その分内需が縮小していくの
>ではないか、という疑問が出される。そのさい、消費税引き上げ分は社会保障費や公共事業として確
>実に内需の拡大として政府部門が消費をしていくわけで、短期的にはともかく、中長期的には問題は
>出てこないどころか内需の拡大に寄与する。強いてあげれば、奢侈品に対する需要は減退する可能性
>はあるが、国民が必要とする商品やサービスへの需要は変わらないと見てよい。絶対的に考えなけれ
>ばならないのが、低所得者対策であり、複数税率やゼロ税率という方式もあるが、理想的には最低生
>活費の消費税分を還付することによって解消していくべきだと考える(もちろん、その還付分が多く
>なれば税収が減少するので税率をより高くする必要が出てくる)。
>■今は、増税による所得再分配政策こそが内需拡大を齎す
> 他方、不況下のもとでの増税はやるべきではない、という意見がある。日本の財政がフローで見て
>も毎年の税収で賄える比率が5割を切っており、借金残高もGDP比200%近くにまで肥大化している今日、
>増税は不況下ではできないなどと言っている余裕は既にないのであり、日本経済の改革のためには、
>できるかぎり早く税負担を引き上げなければならない。不況とか好況とか、たぶんに情緒的な表現と
>なっているのだが、おそらく成長率が名目で4%成長をすれば増税の必要性はない、というのが「上げ
>潮派」と呼ばれる方々の言い分であろう。中には、税収の弾性値が通常はGDP比1,1倍と計算されるの
>に、3,8倍と主張される学者も存在する。こんな弾性値は一時的には生じるとしても、一つの景気循
>環全体を通してみると1,1倍程度に下がっているはずである(この点は正確に計測できるので調査した
>い)。もちろん、成長が必要ない、といっているのではない。成長が高ければそれに越したことがない
>のだが、成長を高く見積もって財政運営をして失敗をしてきたのがこれまでの歴史であり、ここは保
>守的に見積もる必要がある。問題は、日本のように生活必需品が豊富化した「豊かな国」において、
>かつての高度成長のような成長はなかなか実現できにくいのであり、少子化による生産年齢人口が減
>りはじめる中での成長率の上昇は、相当の努力がないと実現しにくい。もちろん、サービス分野を中
>心にまだまだ国民の生活を向上させていくべき分野は存在しており、主としてそれらの分野は社会保
>障・環境・教育・情報といった分野が中心であろう。多くは、公的セクターが国民生活の安定・向上
>に責任を持たねばならない分野であり、少子・高齢社会だけにそれらの分野に対する需要は確実に存
>在している。投資意欲を失っている民間企業部門や今後の生活不安に対処すべく貯蓄にいそしむ家計
>部門、さらには円高で途上国からの追い上げによる純輸出の低下など、マクロ的に見たとき、貯蓄・
>投資のアンバランスを解決していける分野は残念ながら今のところ政府部門しかない。その際、政府
>部門が赤字国債を出し続けていくことには限界があり、国民の税や社会保険負担を通じて、つまり再
>分配機能を生かして需要を確実に作り出していく必要がある。
> まだまだ言うべきことが残っているのだが、経済政策についてはユーロ危機やアメリカの財政問題
>など世界経済の危機的な問題も含めて別の機会に述べてみたい。
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>峰崎直樹プロフィール
>1944年10月14日生
>1992年参議院北海道選挙区初当選
>〜2010年 参議院議員3期18年任期満了
>2009年財務副大臣
>現在 
>内閣官房参与
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