>↓ 週3回更新のブログはこちら(美術・演劇・読書メモも)
>http://plaza.rakuten.co.jp/yizumi
>
>
>◆■■■国際派時事コラム「商社マンに技あり!」■■■◆
> http://www.f5.dion.ne.jp/~t-izumi/
>
>
> 元旦社説の読み比べ
>
>
>■■■■第353号■■■平成癸巳年1月2日発行■■■◆
>
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>
> 平成癸巳年、あけましておめでとうございます。
>
> ことしは芝居やアートを見る側から踏み出して 企画制作
>に乗り出します。
> 6月には三島由紀夫作品の朗読劇とライブペインティング
>(即興画)、ピアノ演奏の協同企画を、新宿区大京町の
>Artcomplex Center of Tokyo で開催いたします。
>
> 徳川時代の浮世絵文化のこころを継承して「役者絵」プロ
>ジェクトにも挑みます。旬(しゅん)な女優さんを日本画家
>に描いてもらい複製プリントをファンに提供します。
>
> 都内の画廊と共同で、ハワイ在住の画家の日本初個展の開
>催も目論んでいます。今年も感動あふれる年に!
>
> こんな道楽を支えてくれる本業の総合商社勤務は、海外電
>力事業への投資の仕事をしています。
> 実業でいただいたおカネでアートの世界を元気にして、ぼ
>く自身も元気を頂ければと思っています。
> 皆さま、よいお年を!
>
>
>■◆■
>
>元旦社説の読み比べ
>
>■◆■
>
>
> 勤務先の商社の職場でよく使う表現に「椅子から転げ落ち
>そうになる」というのがある。
>
>【用例】
>「おまえのメール読んだら、税制が変わって来年は4割減収
>だって? 椅子から転げ落ちそうになったよ」
>
>【意味】
>ひどく驚くさま。
>
> 東京新聞(=中日新聞の首都圏版)の元旦社説を読んで、
>椅子から転げ落ちそうになった。
>
>
>■ 無欲でなく大欲を説いた石橋湛山だが ■
>
>
>≪満州事変から熱狂の十五年戦争をへて日本は破局に至りま
>した。三百万の多すぎる犠牲者を伴ってでした。
>湛山の 非 武 装 、非侵略の精神は日本国憲法の九条の戦争
>放棄に 引 き 継 が れ た といえます。≫
>
>と、東京新聞は書く。
>
> 「日本国憲法制定以前に非武装を唱えていた論者」という
>汚名を着せられ、あの世の石橋湛山(たんざん)翁もさぞや
>お怒りだろう。
>
> 36歳の石橋湛山は、大正10年7月の『東洋経済新報』社説
>にこう書いている。
> 湛山の真骨頂。少し長いが引用する。
>
>
>≪吾輩は今の世界において独り日本に、欲なかれとは註文せ
>ぬ。
>人 汝 の 右 の 頬 打 た ば、ま た 他 の 頬 を も 廻 し
>て、こ れ に 向 け よ と は い わ ぬ。
>
>否(いな)、古来の皮相なる観察者によって無欲を説けりと
>誤解せられた幾多の大思想家も実は決して無欲を説いたので
>はない。
>
>彼らはただ大欲を説いたのだ、大欲を満たすがために、小欲
>を棄てよと教えたのだ。
>
>さればこそ仏者の「空」は「無」にあらず、無量の性功徳を
>円満具足するの相を指すなりと言わるるのだ。
>
>しかるに我が国民には、その大欲がない。
>
>朝鮮や、台湾、支那、満州、またはシベリヤ、樺太等の少し
>ばかりの土地や、財産に目をくれて、その保護やら取り込み
>に汲々としておる。
>従って積極的に世界大に、策動するの余裕がない。≫
>
>
> バランスのとれた正論である。とても「非武装」論者の説
>とは読めない。
>
> わたしなど
>「中国への長期投資は控えて、基幹部品・素材の輸出に特化
>せよ。投資したければ、中国にこだわらず広く世界に目を向
>けよ」
>と言い続けているのですがね、まさしく湛山流の大欲を説き
>続けていたわけですね。
>
>
>■ 「無軍備を誇るのは迷信」 ■
>
>
> 日本国憲法制定後も、石橋湛山は健全な批判精神を保ち続
>けた。
> ウィキペディアからの引用になるが、
>
>≪(湛山は)私的に記した日記の中でも、1950年の記述で、
>「今日の世界において無軍備を誇るのは、病気に満ちた社会
>において医薬を排斥する或種の迷信」
>と非武装中立の主張を公的な発言以上に辛辣に評してもいる。
>
>1953年の総選挙では、鳩山自由党の政策委員長として政策を
>まとめて
>「憲法を国情に適するように改正」
>「戦争否定の精神は国策として存置するが、戦争発生防止の
>ため自衛軍を組織する」
>などを明記した。≫
>
> この湛山のどこが「非武装」論者であろうか。
>
> 東京新聞・中日新聞の勉強不足は「熱狂の十五年戦争」と
>いう形容にも明らかだ。
> 日本史をまともに勉強したなら、満州事変から敗戦に至る
>時代を「熱狂の」とは形容できまい。
>
> それはむしろ、指針のない、苦渋と混迷の15年だった。
>
>
>■ 混迷なき時代が求める長期安定政権 ■
>
>
> それに比べて平成25年は、国の課題と向かうべき方向が
>極めて明確な、混迷なき時代と言える。
> わたし流にいえば、「GHQなき昭和21年」と形容したい
>くらいだ。
>
> 国民のいのちと暮らしを守るために、国力を高める。
> 経済停滞を招いた日銀主導のインフレゼロ路線を捨てる。
> ボロが出始めた老朽インフラの更新を、ムダを抑えつつ実
>現する。
>
>「原発が止まるとホントに電気代って上がっちゃうのね」
>「大規模な太陽光発電所を作っても、けっきょく電気代が
>上がるだけだな」
> そういう当たり前のことに、ようやく過半数の国民が気づ
>きだした。
>
>「尖閣諸島を中国へ明け渡せば万事解決するなんてレベルの
>問題ではないらしい」
>という、当たり前のことに気づく国民も増えてきた。
>
> とどまることを知らない軍国主義中国を抑え込むには、米
>国・豪州・東南アジア・インドと連携した「自由と繁栄の弧」
>(麻生太郎外相の提唱)が欠かせないことも実感される時代
>になった。
>
> こういう基本的認識で一致しているのが、日経・読売・産
>経の社説である。
> そのうえで読売・産経は、安倍政権が参院でも過半数を確
>保して長期安定政権を実現することに期待している。
>
>
>■ 自社の混迷をさしおいて ■
>
>
> 朝日新聞の主張に沿いつつ政治を行った民主党政権の失態。
>
> とりわけ鳩山由紀夫首相は、朝日新聞の臭いがぷんぷんす
>るひとだった。現実無視がその場かぎりの言動につながり、
>普通人には「嘘つき」に見えた。
> それでも鳩山首相を liar と呼んでは国際問題になるから、
>米国人も loopy (うすらバカ)と呼んで武士の情けを示した。
>
> 総選挙の大敗を受けて、さぞや社内も混迷していることで
>あろうと思ったら、さすが朝日である。
> 混迷しているのは社内ではなく、「時代」なのだそうだ。
>
>≪混迷の時代の年頭に
> 「日本を考える」を考える≫
>
>と来た。
> 課題も打開策もクリアなこの時代を、かってに「混迷」呼
>ばわりしないでほしいものだが、朝日は言う。
>
>≪こう問うてみたい。
>私たちが抱える、うんざりするような問題の数々は、
>「日本は」と国を主語にして考えて、答えが見つかるような
>ものなのか、と。≫
>
>
>■ 「国」という枠組みを利用する ■
>
>
> 世の中の成果も問題も、日本国の中央政府が主語であるこ
>とは確かにそれほど多くない。
>
> 経済の活性化は、数多くの私企業の決断と頑張りにかかっ
>ている。
> 文化の振興は、こころざし高い藝術家やプロデューサーの
>意気に負う。
>
> では、私企業や藝術家の頑張りに、ふつうの国民がどうす
>れば関わっていけるだろうか。
> 国民が声をあげ手をさしのべるには、やはり「国」という
>枠組みを利用するのである。そのために国家は存在する。
>
> 国民の意思を代表する「国家」という広場を通じて、私企
>業や藝術家が力を存分に発揮できる世の中にしたいと、そう
>願う。
>
> だから我々普通人は、「日本は」と国を主語にして答えを
>見つけようとするのである。
>
>
>■ 「公船の派遣」? ■
>
>
> 小朝日と定評のある毎日新聞。
>
>≪力による現状変更を仕掛けてきているのは明らかに中国側
>であり、日本はあくまで対話と法理で問題解決を図ろうとし
>ている。
>
>こういった日本の立場と主張を、アジア諸国を中心に世界に
>対し粘り強く丁寧に説明し、理解を得て仲間を作る。
>決して孤立化しないことだ。≫
>
> 小朝日にしては、まともな主張である。
> しかし次の一節は、たちまち甘ちゃんだ。
>
>≪まずは、強硬路線の悪循環を排し現状維持の緊張に耐え抜
>くことだ。
>そして、対話と妥協の機をうかがう。
>
>例えば、中国は 公 船 の 派 遣 をやめる。
>日本も 外 交 問 題 は あ る ことまでは認め、話し合いの
>テーブルにつく。≫
>
> 「公船の派遣」という一節を読んで、何を言っているのか
>しばらく分からなかった。
> あぁ、「海洋監視船による領海侵犯」のことか。
>
> 領海侵犯を称して「公船の派遣」ですか。やはり毎日新聞
>は中華共和国の新聞か。
> 領空侵犯も、「政府航空機の派遣」と呼ぶのだろうね。
>
> 領土問題があるとまでは認めず、しかし「外交問題」は
>あると認めれば話し合いは始められる、というのが毎日新聞
>の主張だ。
>
> たしかに中国共産党はそれを望んでいる。
> しかし日本は諸外国を味方につけながら、中国に対して門
>前払いを貫くしかないのである。
>
> ん? いつまでも門前払いしている場合かというあなた!
>
> 待ってました。いますぐ百万円、わたしにください。
> 少なくとも、わたしと話し合いの席についてください!
> 門前払いはなし、でしたよね。授業料、いただきます!
>
>
>===
>
>▲ 後記 ▼
>
>
> 長文がはやらない世の中。
>
> 現代アートの写真や絵を見たりシェアしたりするには、
>短いコメントつきで川の流れのように流れゆく Facebook が
>重宝します。
> だから、よく利用しています。
>
> しかし、政治評論はロジックの世界ですからね。
> ツイッターでは突っ込みや皮肉は言えても、ロジックの展
>開をするには文字数が足りないでしょう。
>
> だから、ツイッターには全く興味がないわたしです。
>
>**
>
> 映画「レ・ミゼラブル」。みごとな映像でしたが、自分に
>とっては帝劇の舞台の「レ・ミゼラブル」のほうが、もっと
>じんじん来ていたんですね。
>
> なぜだろうかと思いながら書いた映画評:
>
>映画「レ・ミゼラブル」
>エポニーヌ役のサマンサ・バークスさんが秀逸
>http://plaza.rakuten.co.jp/yizumi/diary/201212280000/
>
> アップしたあと、アクセスがかなり上がったので、けっこ
>う読まれたようです。
>
>**
>
> このコラムも、読者からいい反応をいただきました。
>
>働かない「働きアリ」がいる !?
>http://plaza.rakuten.co.jp/yizumi/diary/201212190000/
>
>
>==
>
>
><泉 幸男 著>
>
> 『中国人に会う前に読もう 第一線商社マンの目』
>
>『日本の本領(そこぢから) 国際派商社マンの辛口メモ』
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> http://homepage2.nifty.com/sai/mart/
>
>==
>
>
>■主宰 泉 幸男(いずみ・ゆきお Izumi Yukio)
>
>http://www.f5.dion.ne.jp/~t-izumi/
>(旗艦ウェブサイト。これまでの号もここで見られます)
>http://plaza.rakuten.co.jp/yizumi/
>(週に3回ほど更新しているブログ)
>
>■発行者への通信は mailto:t-izumi@f5.dion.ne.jp
> いただいたメールは、引用することがあります。
> 引用内容が政治性を強く帯びたものについては、掲載につ
>いて ご本人の事前了解をいただくつもりですが、 この辺の
>采配は発行者にお任せいただくしかありません。
> 発信者氏名は原則として公開しません。公開する際は、ご
>本人の事前了解をいただきます。
> 掲載するメールは、発信者の居住地名(市ないし県名)を
>できるだけ書かせていただきたく、それについてお問合せを
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