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>「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
> 平成25(2013)年3月1日(金曜日)
> 通巻第3888号
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> 全人代直前、共産党員にはしる緊張感は軍事危機ではない
> 腐敗、不正、権力の乱用は高官の殆どが「身に覚えあり」
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> 「裸官」が大量に発生するのは中国政治の腐敗した土壌にあり、すでに「18000名の高官らが法外なカネとともに海外へ逃げたが、習近平の反腐敗取り締まりによって逮捕・起訴・左遷・減給などの処分を受けた共産党員は百万名を越えた」(「博訊新聞網、2013年2月28日)。
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> そういえば、日本企業の或る役員から聞いたが、「ことしに入ってから高官らが賄賂を受け取らない現象がある」という。
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> 「裸官」とは家族親戚愛人を賄賂など不正に得た所得を外貨に替えて、先に海外へ逃がす共産党高官を指す。「腐敗は亡党・亡国に繋がる」という危機意識が習近平をして反腐敗キャンペーンの発動に突き動かした。
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> しかし国家行政学院公共行政教室の竹立家教授によれば、「裸官はすでに118万人に達しており、高級公務員の46・7%の子女は海外で永住権を獲得している」と推計している。
> 「こうした現象は改革開放以来、経済発展とともに富裕階級が出現し、彼らが子女を一斉に海外留学させたからだ」とする。
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> だが、或る学者はもっと正確に情勢分析をして次のように言う。
> 「腐敗がなくなる筈はなく、経済発展によるものというより、独裁的制度、全体主義的システムが内在する権力の行使、乱用、特権が生み出すものであり、この制度を変革しない限り、腐敗を絶滅できないだろう」。
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>◎ BOOKREVIEW ◆書評 ◇しょひょう ▼ブックレビュー ☆
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> 外交とは戦争の一手段、命がけの使命感が必要である
> 日本の外務省はなぜかくも劣化してしまったのか
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>杉原誠四郎『外務省の罪を問う』(自由社)
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> 外務省を「害務省」と揶揄する向きが多い。
> 評者に言わしめれば、外務省は国益を追求する交渉ごとよりも省益丸出しで行動する「エリートもどき」の集まり。だから省改革は、外務省の全員を一度、防衛省へ出向させ、すくなくとも半年、軍事訓練を受けない限り高級職にはあたらせないとすれば良い。防衛の現場を体得すれば、多少は国益というものが分かるだろうというのが持論である。
> 外務省は英語でミニストリー・オブ・フォーリン・アフェアーズ(Ministry offoreign affairs)だが、これはミニストリー・オブ・フォーリン・あほヤーズと変えた方が良いのではないか?
> 本書はそういうアホヤーズが過去にどれほど国益を損ない、むしろ外国に奉仕し、自らの失敗を省内でかばいあい、誤魔化し、マスコミの追求をはぐらかし、ほかに責任をなすりつけてきたかを抉った力作評論である。
>日本を駄目にした元凶は、この役所でもあったのだ。
> 杉原氏は吉田茂を糾弾するところから本編を始めるが、真珠湾攻撃の最後通告翻訳を職務怠慢で遅らせて届けるという大失態を演じ、結果的に日本がだまし討ちをしたという印象を世界に与えた「国賊」たちが、戦後、責任をまったく追及されなかった経過を検証することにより、この隠蔽体質、無責任体制は、その後の省をあげてのODAの本質隠蔽に繋がったと言う。
> ペルー大使公邸における人質事件はフジモリ大統領の決断で武装強盗ゲリラ集団を退治したが、あのときペルー大使の青木某は、橋本首相の写真をもって記者会見に臨んだ。バカ丸出しである。
>特命全権大使とは天皇陛下の名代であって首相の代理ではないという認識がないのだ。しかし、この青木某は処分されるわけでもなく、そのごアフリカの某国大使として赴任した。
> 真珠湾だましうちの元凶となった当時の駐米大使は「わたしはなぜ自殺しなければならないのか。私は外交官である」という迷言を残した。
>直接の責任者だった奥村一等書記官は、その後、吉田茂によって外務次官に任命され、勲一等を授与された。
> その後も外務省からは加藤紘一、天木直人、孫崎亮などといったバカを量産した。
> こうした例を杉原氏は克明に網羅し、本書は外務省がいかに国益を守らない国賊どもの集まりであるかを、痛快に、しかし深刻にえぐり出した。
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> 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム
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>樋泉克夫のコラム
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>【知道中国 868回】
> ——「潜在的大国」への飽くなき欲望には際限がない・・・らしい
> 『中国崛起之路』(胡鞍鋼 北京大学出版社 2007年)
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> ▽
> 「21世紀に入り、我われは戦略構想の時代を迎えた」。「大戦略とは歴史の総括であり、未来の選択である。大国、あるいは潜在的大国の未来という視点に立つなら、戦略構想こそがカギである」。
>「国家戦略構想の理論的基礎、歴史的経緯、グローバルな視点を定めたうえに、戦略目標策定、戦略段階選択、目標達成優先順位順を体系的に準備する」という大戦略構想こそが、「大国の貧富、盛衰、存亡と結びついている」——と、なんとも昂揚した調子で書き出される。
>流石に「大戦略叢書」の一巻だけのことはある。
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>「中国経済学界の思想的支柱であり、最も優れた業績の持ち主であり、中国政府の公共政策に最も重要な影響力を発揮している」(「著者簡介」)とされる著者の主張を簡単に纏めてみると、
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> ■「潜在的大国」である中国は地球上でそれ相応の地位を得るべきであり、自らの「貧富、盛衰、存亡」を賭けた振舞いをしても当然ではないか。それは近い将来の大国への道を突き進む中国が享受すべき当然の権利であり、その権利を断固として行使するために「大戦略構想」はある。
>
> ■社会主義の多国籍企業であり、グローバル企業である国有企業が資本主義の多国籍企業と最も異なる点は、国有企業の文化に現れている。中国の企業文化は中国の伝統文化に淵源を持ち、同時に西洋文化からも学んでいる。だが、それは西洋文化とは異なる。西洋文化は個人主義を強調するが、我が国の国有企業文化は調和・集団主義・奉仕精神をより強調する。我が国の国有企業は物質的な富だけだはなく、精神的な富をも創造するがゆえに企業として極めて優れたものである。
>
> ■国家には「国家生命周期」というものが備わっている。かつての中国は自己変革が出来ず、自己変革の動きを抑圧したために、他の文化や勢力との衝突や競争の過程において衰退の道を歩まざるを得なかった。これこそ、伝統中国が急速に衰退の道を進んだ根本原因だ。自己変革を積極的に推し進め、絶え間なき創新こそが国家の崛起を速め、加速度的に強大化させる。ここに現代中国の迅速なる崛起の根本要因がある。
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> ■結論的に言うなら、21世紀、中華民族は数多ある世界の民族の中で抜きん出た存在となると同時に、中国が世界強国へ向かう世紀でもある。中国現代化の道は、すでに歴代の中国指導者が絶え間なく追求してきた道であり、全面的創新の道である。それはまた10数億の人民が挙って学んだものであり、その豊な成果を享受する道であり、「行いながら学び、学びながら行ってきた道」である。中国現代化の道こそが中国崛起の道であり、中国を全面的に改め、世界に影響を与える道でもある。
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> ——とまあ、身勝手でノー天気極極まりない大風呂敷を広げて見せるが、著者は?執政党の統治能力を高め改善し、?確固とした国家の不正・腐敗取締り体制を築くという「政治的基礎」を築くことが中国崛起への必要絶対条件だと主張する。?は一党独裁による効率的統治の一層の深化を、?は幹部による不正・腐敗体質の完全克服を意味するのだろうが、?はともあれ、「公財私用」を当然視する幹部が構成する共産党に?は不可能だ。
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> やはり著者が先ず取り組むべきは民族気質の根本的改造への道であり、幹部の持つ伝統的不正・腐敗資質の全面的創新の道のはずだ。それがダメなら、大戦略構想だの、中国崛起だの、潜在的大国だの、世界強国だの、国家生命周期だの・・・大法螺を吹くなッ。
>《QED》
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>(読者の声1)貴誌前号投書欄のロシア対応について感想です。
> ロシアのプーチン大統領との信頼構築が必要という意見があります。しかしロシアには約束を守るという価値観があるのか疑問です。スターリンは国際条約は守られないと述べています。事実破られてきました。
>そしてプーチンはソ連を支配した秘密警察KGBの出身です。
>ロシア人がロマノフ王朝に郷愁を抱くのは、共産主義時代の記憶を消し去りたいからでしょう。あるロシア人政治学者はマルクス主義が去った後残されたのは、ロシアの焼け跡だけであったと記しています。
>ロシアの良いものは人間を含めてすべて滅ぼされました。共産党に殺された老若男女犠牲者の無数の白骨がロシア全土に埋まっています。ロシア問題の権威、瀧澤一郎先生は、領土問題は百年単位の話なので、北方領土問題は焦ることはないという考えです。
>焦ると弱みを見透かされて寸土を高く売りつけられます。
>ロシアには弱みがあります。それは今極東のロシア人が欧州方面へ流出しており人口が減っていることです。そこに支那人が入植してくるので、ロシアの弱点になりつつあります。遠からず日本に助けを求めてくるでしょう。
>その時しっかり取り戻せばよい。その時には南樺太も回収するというのが西村真悟議員の持論です。
>我々は第二次大戦におけるロシアの残虐な侵略と30万人以上に上る邦人被害を忘れることはできません。しかしロシアはソ連のゾルゲスパイ団の顕彰慰霊祭を今まで遠慮してモスクワでやっていましたが、今や東京で堂々とやっています。
>多磨墓地にはソ連諜報部の対日スパイたちが祀られています。完全に日本人を馬鹿にしているのです。またスパイ防止法のない日本はロシアスパイの天国です。レフチェンコ事件を見ると、ロシアのスパイ網は今も政財界マスコミ学界に深く浸透していると思われます。
>日本人はこうした事実を知ったうえでロシア問題を考えることが必要と思います。
> (東海子)
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>(宮崎正弘のコメント)今月の『WILL』最終ページに堤堯さんの連載がありますが、おどろきは多磨霊園にある三島由紀夫の墓地のすぐそばが尾崎秀美のお墓の由です。初めて知りました。
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>(読者の声2)福岡近辺の読者の皆さんへ。3月10日はチベット騒乱の追悼記念日です。福岡では青山繁晴氏の講演会を実施します。
> 3月10日の日曜日、福岡市天神のふくぎん大ホールで青山繁晴(国際戦略アナリスト)の講演会を実施します。
>記
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>とき 3月10日13時開場 13時半開演
>ところ 福岡市天神「ふくぎん大ホール」
>演題 ぼくらの祖国 ぼくらがアジアにできること
>会費 前売り2200円 当日2500円
>問い合せ 井上政典 090−3280−4025まで
>席数が690席しかありません。お早めにお申し込みください。
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><宮崎正弘の新刊予告> <宮崎正弘の新刊予告> <宮崎正弘の新刊予告>
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>宮崎正弘の新刊は3月4日発売です
>『世界は金本位制に向かっている』(扶桑社新書)
> 副題「ゴールドで世界支配を目論む中国」
>
> ドル基軸崩壊後を予測する最新刊です
> 定価720円 + 税
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>
>(あとがきから抜粋)
>「本書執筆中にふたつの「大事件」が起こった。あまりに迅速に、しかも本書の予測通りに事態が展開したので怖いほどである。
>第一は2013年2月2日、東京金が史上最高値をつけたことだ。
>第二は同じ週の米国議会の動きだ。「財政の崖」回避のためにプラチナ・コインを一兆ドル発行するという議論が沸騰点を迎え、議決には到らなかったとはいえ、世界のマスコミが注目した。
>プラチナはゴールドと並ぶ価値があり、コインも世界各地で製造販売されている。日本では米国イーグル通貨が有名だ。
>週刊誌『タイム』(12年1月21日号)はこう書いた。
>「福祉と医療、保険制度の財源を如何にするか、議会は真剣かつ深刻が議論が必要とされ、その過渡期に財政の危機を回避するアイディアの一つが議論されることは何もしないよりマシだと民主党ベテラン議員は言うが、プラチナコイン発行など『まったく愚か』(クルーグマン)と反対論が強まった」
>結局、このアイディアは否決されたのだが、金本位制に反対の民主党が賛成に回り、金本位制復帰に賛成の多い共和党が反対したという皮肉な結末も党派の議会運営をめぐる駆け引きであり、近未来にまた出てくるアイディアだろう。
>かくして明日の経済展望は明確には見えてこず、賢明な投資家はキャッシュポジションを高めながら次のチャンスに備えている」。
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>アベノミクスの影で、世界の投資家らが考えていることは何か?
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>『中国を動かす百人』(双葉社)
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> この一冊で中国政治の舞台裏が透視できる! 一家一社に一冊。
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>『習近平が仕掛ける尖閣戦争』(並木書房、232p、並製。定価1575円)
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