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2013年7月30日火曜日

Fw: 宮崎正弘の国際ニュース・早読み(毛沢東は好きだった豚の角煮)

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>「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
>   平成25(2013)年7月30日(火曜日)
>        通巻第3992号   
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> すべて毛沢東の猿まね、武漢に三日間も滞在し、ぶつぶつと演説ばかり
>   習近平は毛沢東が好きだった豚の角煮をたべて
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> 湖北省武漢に毛沢東は38回も訪問し、ここで66人の内外要人と会見した。
> そうだ、オレは毛沢東のように偉いんだ。習近平は自らそう信じ込むことによって中国の夢を実現する指導者として振る舞いたい。だから7月21日から23日まで武漢に滞在して、つぎからつぎへ思いつきを発表した。
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> 習執行部は内部の主導権争い、権力状況が錯綜している。
> あまりの頼りなさに江沢民がキッシンジャーを招いて「習近平は優秀な指導者だ」と持ち上げたことを意図的にリークし、応援歌を送ったが、逆に言えば習近平は無能ぶりを曝していることになる。
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>くわえて習近平を軽くみる団派が政治局全体では多数派。前にも指摘したように、序列8位の李源潮(国家副主席)が第三位から七位の政治局常務委員をさしおいて、北朝鮮を訪問した。
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>序列9位の王洋(副首相)は「米中経済戦略対話」を主導するため渡米した。無能の習近平や上海派の四人(劉雲山、張?江、張高麗、愈正声)には任せられないからだ。太子党仲間の王岐山には「反腐敗キャンペーン」の責任者を押しつけ、習は宴会へ行っても高級酒に手を出さず、アワビをたべず、ひたすら豚の角煮を所望する(理由は毛沢東が無類の豚の角煮好きだったから)。
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> かくて北京の高級レストランはがらがら、従業員の多くが解雇されて、ついには高級ホテルもがらがらとなった。マオタイはバーゲンセールを始めた。
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> ▼贅沢な宴会ばかりか、政府庁舎の新築工事も禁止された
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>日頃、相手にもしていなかった小国の大使館から昼飯でも、と呼ばれると、最近は党幹部もいそいそと出かける。理由は外交上の仕事であり、ワインがでても、それは外交上呑まなければいけない。いま反腐敗キャンペーンによってマオタイ酒を飲んだり、アワビをたべて、その写真がブログにアップされただけで左遷、停職処分など粛正の嵐が吹いている。まさに文革以来、これは「整風」である。
> しかも向こう5年間、新たな政府庁舎の建設を禁止する通達が出た。
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> 習近平は武漢で真っ先に毛沢東旧居を訪問し、随行した湖北省党委員会書記の李鴻忠と同省省長の王国生に対して「ことしは毛沢東生誕120年である。旧居を改築し、革命愛国基地とするように」と命じた。
> 
> 猿まねを前にも演じた男がいる。1992年のトウ小平の「南巡講和の旅」は、この湖北省武漢から開始され、トウは「党の問題は形式主義、官僚主義に陥っていることである。電話一本ですませる事柄を、会議をやる必要はない。長い会議に長い文章に長い演説、内容は重複しており、新しいことは何もなく、この形式主義を打破せよ」とトウ小平は武漢で演説したのだ。
>
> 猿まね現代版を実践する習近平は、「形式主義、官僚主義、享楽主義、そして奢摩主義。これら四つの風を是正しなければならない」と言った。
> もともと習近平が総書記就任後まっさきに行ったのは深センだった。トウ小平の「南巡講和」の真似をしようとしたのだが、誰も注目せず、むしろこのときは軍区、戦区、海軍基地を訪問したことに注目が集まった。
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>「戦争の準備をせよ」という軍への緊張を強いた演説に世界のマスコミは注目したが、それ以後の行動をみていると、やはり予想通りに習近平は軍を抑えておらず、とりわけ総参謀部が習演説にまったく反応していないのだ。
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> 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム  樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム
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>樋泉克夫のコラム
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>【知道中国 942】    
>  ——「支那の堕落を曝しているようで見苦しい」(長与の下)
>     「大同」(長与善郎 『世界紀行文学全集』修道社 昭和46年)
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>日米開戦2ヶ月前の昭和16年10月にはマニラでは米・英・中・蘭の4ヶ国による軍事会議が開かれた。ABCD包囲網による対日軍事連携である。同じ10月の9日朝、長与は北京駅を発って大同に向った。
>
>汽車は「蒙疆、即ち蒙古連盟自治政府という妙な名前の領域」に入り、居庸関を経た先の「有名な八達嶺」の駅に停車する。蒙古連盟自治政府とは、昭和14(1939)年11月に日本側の肝いりで親日派の蒙古王族である徳王を主席として発足した親日政権で、正式には蒙古聯合自治政府と呼ぶ。
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>汽車が停まっている間に密輸業者らしき者の逮捕劇を目撃したが、荒々しい態度の検査官に対しても犯人に悪びれた様子は見られない。「土台図々しく、生易しい温情主義などでは実際取締れず、支那人自身の警官でも矢張り殴る所なのだろうと思った」。それというのも、「現に支那人の警察官が洋車曳きが五月蝿く客にせびるというだけでぴしぴし鞭で殴り、一方は又いくら殴られても平気で客に乗車をせびる光景を僕は嘗て揚州で見たことがある」からである。「土台図々し」い。だから「生易しい温情主義」は返って仇となるわけだ。
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>「蒙古の奥から北京に通う駱駝の隊商の中継駅であり、今は蒙疆政府の所在地」である張家口に到着する。その印象を「殆ど完全に漢人化された蒙古人の見穿らしい馬具屋なぞがぼつぼつ見えはするが、考えてみれば実際に於て支那内地同様のこの町が、今だにそんな濃厚な蒙古色を留めている筈もない」と綴っている。「馬具屋なぞが」「見穿らし」かろうがなかろうが、そんなことはどうでもいい。注目すべきは「殆ど完全に漢人化された蒙古人」と見抜いたことだろう。
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>「蒙疆政府の所在地」とはいうが、住人は「殆ど完全に漢人化された蒙古人」であり漢人なのである。だから張家口は「支那内地同様のこの町」だった。清朝時代を通じ、食い詰めて故郷を棄てた漢人は怒濤のように満洲の沃野に入植し農地を切り開き、蒙古では牧畜のための牧野が農地に浸食され、いつか知らぬ間に彼らは満蒙の地を自らの生活の根拠地に"大改造"していた。満蒙、蒙疆とはいうものの、漢人の土地に変じていたのだ。
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>張家口から大同までは「いかにも朔北という語を想わせる満目蕭条である。何か種子位は蒔いてあるのか、唯涯しもない坦々たる黄土のうねの間を時々、同じ色の大きな兎が汽車に驚いて走るのを見る位のものである」。やがて「単に風景としての印象からいうと、・・・平地の中にポツンとある廃都といった感じ」の大同に到着する。
>翌日、雲崗の石窟行きのバスが出るまでの時間つぶしに、有名な寺や道具屋を見て回ったが、「何一つ碌なものはない。絵はがきでも買おうと雑貨店に這入ると、本屋を兼ねていて、岩波新書の僕の本まで並んでい」たという。
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>満州事変勃発から10年、盧溝橋事件から4年が過ぎ、日米開戦前夜の大同の雑貨屋で、いったい誰が長与の書いた岩波新書を買うというのだ。それにしても、どんな流通ルートを辿って岩波新書が大同の雑貨屋の店先に並んでいるのか。考えるほどに不思議だ。
>「いよいよバスは出た」。「雲崗まで約一時間足らず」。やがてバスから降り、石窟に入り無数の石仏に対す。「それからの二時間を・・・唯ただ貪り観ることで夢中に過ごした」末に、「漢民族と、その文化の個性の根強さというものを思わずにはいられない」と呟く。
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>それから8年後の1949年、中華人民共和国の誕生だ。日本人は「漢民族と、その文化の個性の根強さ」——長与のいう「文化」に、敢えて「接待」の2文字を冠して「接待文化」と呼んでおく——に籠絡され、新たに誕生した国を「道徳国家」「道義国家」などと思い込まされてしまう。
>その後遺症は現在もなお癒えることなく、日本を翻弄し続ける。
>《QED》
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>(読者の声1) 最近、台湾に関心を持つ人にとって興味深い本が出版されましたので紹介いたします。本の題名は『台湾の環境行政を切り開いた元日本人』(まどか出版)。
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> 日本時代を懐かしむ台湾人の手記は数多く出版されていますが、外省人の牛耳る官界での実情を記したものはあまりなかったので、この本は資料的価値も持っているかと思われます。
> 著者は台湾大学化工科同級生でも二人という高等官試験に合格し、京都大学への留学経験もあるというエリートですが、官界での出世に絶望し二度ほど転職を試みています。しかし経済発展とともに顕在化してきた環境問題を契機に俄然頭角を現し、15年に渡って台湾の環境行政を取り仕切り、行政院環境署(日本の環境省に相当)設立にまで漕ぎつけています。
> また昔の総督府での普通文官試験の有り様や日本留学への経緯など各種のエピソードも豊富です。
>戒厳令下の閉塞された状況で海外留学には嫉妬による密告が頻発し、空港での逮捕も珍しくなく「厳しい審査を通過しても、飛行機が飛び立つまでは安心できない」と云われていたことなどなど。なお、序文は李登輝元総統が書いておられます。
>(IT生、千葉)
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