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> ■□■ 「知事エッセー」(平成24年11月号) ■□■
> 平成24(2012)年11月1日発行
> ■□■ 兵庫県企画県民部広報課 ■□■
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> − 芸術の秋と彫刻 −
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>【秋と彫刻】
> 芸術の秋だ。秋空に自然の中に融け込んだような人工物は何か。それ
> こそ彫刻である。しかも、美術館だけではない。もちろん美術館には美
> 術館の良さはあるが、県立芸術文化センターや県公館など県民に親しま
> れている施設にも置かれている。お気づきだろうか。
> 街並みにも彫刻が並んでいる通りやロータリーなどいかにも風情を醸
> しているが、これには一つ一つの存在とあわせて全体としてのハーモニ
> ーが、調和があらねばならない。その意味で結構バランスをとることが
> 難しい。並木の大きさも、周辺の建物群も相互に影響しあうだけに、調
> 和と変化を織り込むのだから。
>
>【彫刻の形】
> 彫刻にも、具象と抽象がある。具象はいうまでもなく人や自然を表現
> したもの、抽象は形にとらわれず一部を強調したり全く形にはとらわれ
> ず、作者の意欲がほとばしっているものまでそれこそ自由である。しか
> も、材料によっても食感が違うように、美感が違ってくる。石は石の良
> さ、鉄は鉄、鋼鉄は鋼鉄、アクリルとか陶磁器など全く趣きが異なるか
> ら不思議だ。
> しかも、例えばブロンズでは、彫刻家と鋳造家とのコラボレーション
> も活用される。つまり、作家と鋳造家との共同作品ともいえる。有名な
> のはロダンとリュディエだ。ロダンの作品はほとんど彼の手になってい
> るらしい。だいたい7体ぐらい鋳造される。あの「考える人」だって国
> 立西洋美術館にあるのは何体目だったのだろうか。作品としては、最初
> の鋳造物よりも少し慣れがでてきて3〜5体目の段階の方が良いといわれ
> ている。だが最近、再鋳造もあるらしい。静岡県立美術館のロダン館は
> 有名。「地獄の門」などロダンの大作が並んでいる。パリのロダン美術
> 館では庭に置かれ、それなりに風雨にあたり存在を示しているが、館内
> のため少しきれいすぎるといえようか。
>
>【彫刻の大きさ】
> 大きさも鑑賞する私たちに大きな影響を与える。大きさでは奈良の大
> 仏様。三大大仏の兵庫大仏も雄姿を誇っている。その台座の階段で「清
> 盛茶屋」の一行が清盛の大輪田泊の築港の際人身御供となった松王丸の
> 寸劇を披露してくれていた。大きいから舞台となる。鉄人28号だってそ
> うだ。神戸マラソンのコースを検討した際、あの鉄人の股の下を通り抜
> けられないかと考えたが、コースを真っすぐにとることができず、押し
> 合いになる懸念から断念したことがあった。一方、小さなものとしては、
> 工芸品に数々ある。鈴などのあでやかな音色などを見たり、聞いたり、
> してみたらどうか。私は、ふくろうの置物を少しばかり集めている。体
> 系的ではない、みやげ物の域である。
> 絵画風に壁に掛けるスタイルもある。壁画に準じた効果があるのが楽
> しい。例えばワールド記念ホールの応接室に「クオルテット」という横
> 長の壁面彫刻があるが、4人のバレリーナが横に並んでステップを踏ん
> でいる、躍動的で強いインパクトがある。一人だけ足が左向きになって
> いるのもポイントなのだろう。新谷英子さんの作品だ。
>
>【動く彫刻】
> 動く彫刻はいかが。風に吹かれて、針や棒やプロペラなどが動き、そ
> の動きも強弱緩急により印象を変える。単に動けばよいのではなく、動
> きにより自然との交流をしているのだろう。例えば「風の彫刻家」とし
> て有名な新宮晋さんの作品が県公館の東庭にある。「時の木2(正式には
> ローマ数字)」と名付けられているが、赤い三角の羽根が風力によって
> ゆっくり不規則に動く、いかにも生きているような現実感をもたらす。
> もう一つは、県立美術館にあるジョージ・リッキーのもの。「上を向い
> た2本の線」と名付けられている。彫刻の世界に「運動」と「時間」を
> もたらした20世紀の代表的な彫刻家である。自然の風の流れや向きによ
> り「刃」(Blade)と呼ばれる三角形の先の細く尖った2本の線状の針が
> 1本の棒の上部に取り付けられており、風の力を受けて回転するシンプ
> ルな構造である。しかし、ゆっくり予測できない動きこそ、リッキーの
> 自然の中にある造形物として作りたかったのだろうという意図が何か見
> えてくるようだ。美術館の西側入口の左庭園、通路の北側に置かれてい
> る。リッキーの彫刻には思い出がある。静岡県立美術館のシンボルとし
> て何か彫刻を設置したいと検討していた際、美術館の本館があまり高い
> 建物でなくどちらかといえば横に広がっており、正面の左側には池が配
> 置されていたので、青い空と緑の屋根と白い壁と青い水に垂直に立つ細
> 長い針と棒との組み合わせの彫刻がよいとの結論からリッキーになり、
> しかも動きが水面と青い空の雲とマッチしてファンタスティックな空間
> を生みだした。今も元気ですっきりと水盤に立っていることだろう。
>
>【重い彫刻】
> 重い彫刻を二つ紹介したい。一つは、ヘンリー・ムーアの「ゴスラー
> の戦士」という何トンもある横たわる像である。ムーアは、イギリスを
> 代表する彫刻家。人体や動物、石や骨など自然への関心を形にした独自
> の抽象的な作風の作家だ。人体のポーズ、立つ、座る、横たわるという
> 基本行為のうち横たわるが一番安定しているとともに自由度が高いとい
> うことらしい。戦士が横たわり、楯が横並びの足もとにおかれ、戦士の
> 目線は空を眺めている。いかにも平和を希求しているようだ。県立美術
> 館の東側庭園に存在を誇っている。もう一つは、県立芸術文化センター
> の正面入口の階段右側の空間に大きなソラマメが置いてある。ブロンズ
> で少し金色めいた銅色、これからの舞台でくり広げられる演奏や演劇に
> 感動が待っていることを予見させる不思議な広がりを持っている。「天
> 秘」と名づけられた欧州で活躍中の安田侃さんの作品である。重厚感と
> いうより軽やかさを感じる。どうぞ触ってやってください。
>
>【彫刻を楽しもう】
> まだまだ紹介したい彫刻は、県立施設だけでもいっぱいあるので、是
> 非、秋空のもと、楽しんでいただきたいもの。意外に、ゆっくり施設は
> 訪ねてもそこにある芸術作品を味わうことが少ないのではないか。どう
> ぞ、ゆっくりしていってください。
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> 兵庫県知事 井戸 敏三
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