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>厚生労働省がまとめた食品中の放射性セシウムの新基準について、文部科学省放射線審議会は16日、「必要以上に厳しい」として、被災地の食生活や農業への影響に配慮するよう異例の注文を付けた。ただ、基準そのものについては了承した。一方、厚労省は4月施行に向けて、予定通り、法整備を進める方針だ。
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>厚労省の基準案は、食品による年間の被曝(ひばく)線量を1ミリシーベルトと設定し、一般食品は1キロあたり100ベクレル、乳児用食品はその半分の50ベクレル、牛乳も50ベクレルなどと定めている。
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>審議会は、この基準について、放射線による障害を防ぐ観点から「差し支えない」と答申した。一方で別紙で意見、注文を付けた。
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>これまでの議論で、最近の調査で食品のセシウム濃度は十分低いが、食品全体の半分を占める国産品がすべて汚染していると仮定して「過度に低い基準を導いている」と指摘している。
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>乳児用食品や牛乳の基準については、「特別に設けなくても、子どもへの配慮は十分なされている」と明記。事故後1年で最終的な規制値を決めず、「段階的に目標値を下げていくことが適切」とした。
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>委員からは「健康を守るだけでなく福島の生活も守る必要がある」「検査体制は整うのか」などの懸念が示された。先月12日の放射線審議会の総会で、福島県のコープふくしま理事の佐藤理さんは「新基準が施行されれば、広範な田畑の作付けが制限され、福島の農業が壊滅的打撃を受ける」と述べていた。
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>こうした意見について、厚労省の担当者は「どんな年代でも、どんな食生活をしても大丈夫なような基準値案になっている。厳しすぎるということはないはず」と主張。厚労省としては、放射線審議会の意見を、同省の薬事・食品衛生審議会に諮り、何らかの対応が必要か議論する。同審議会は昨年12月に基準値案を一度了承しているため、基準値が変わる可能性は極めて低い。委員の一人、阿南久・全国消費者団体連絡会事務局長は「消費者からすれば、基準値を緩めるということは絶対に認められない」と話している。
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>(佐藤久恵、沢伸也)
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