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>官邸お庭番日誌ver2第38号
>2012年5月28日
> いよいよ5月も最終週を迎えようとしている。国会の会期もあと1か月を切り、社会保障・税一体改革に関する特別委員会の方も、6月4日に公聴会開催が決まり、衆議院段階の出口をどのように迎えるのか、いよいよ山場に差し掛かってきた。おそらく、今週の29日火曜日に野田総理と小沢元代表、それに輿石幹事長を交えた三者会談が予定されており、その行方如何が今後の展開を大きく左右しそうになってきた。野田総理は、社会保障・税一体改革関連法案の今通常国会の成立に政治生命をかけており、その姿勢にはいささかの揺るぎもないようだ。それに対する小沢元代表の方も、消費税増税に対して強く批判されており、どのように折り合えるのか
、決裂するのか、まさに最大の山場を迎えたことになる。小生の立場は明確であり、なんとしてもこの局面は、野田総理の決断で持って法案を成立させるべく野党側との協議を進め、日本経済の難局を切り抜けていく以外にない。ここは政治家としての胆力が問われる局面だ。野田総理には頑張ってほしい。
> □広島カープは何故日本ハム・ファイターズに逆転負けしたのか
> さて今回は少し趣向を変えて、政治からスポーツの話題へと話を移してみたい。野球少年として少年時代を送った者だけに、プロ野球の話題には関心がある。というより、広島に生まれ、現在は北海道に住んでいるため、セントラルリーグは広島カープ、パシフィックリーグは日本ハム・ファイターズのファンでもある。今セパ交流戦の真最中で、先週の20日(日)にマツダスタジアムで開催された広島対日本ハム戦についての、私流の解釈を下してみたい。この試合は、結果としては5対4で日本ハムが9回に一挙に5点をとって逆転勝利を収めたのだが、7回までは広島の若きエース前田健太投手が、強打の日本ハム打線をゼロで抑え、8回も中継ぎのニ
コライオが抑え、何と8回裏に得点能力の低い広島が3点を追加して4対0で広島の勝利は間違いない、と誰しも感ずる状況だったのだ。本来であれば、広島の最終クローザーはサファテという150キロ台を出す豪速球ピッチャーが控えており、1対0のままであれば、否、2対ゼロでも3対ゼロでも抑えはサファテになっていたと思う。というのも、4対ゼロであれば、セーブ記録がつかないし、ここらでサファテを少し休ませた方がよいかな、という隙が生まれたに違いない(と想像している)。広島の抑えとして登板したピッチャーは、サファテでなくいつもは中継ぎ役の今村であった。それでも、普通に進めば勝利で来ていたのに、エラーや四死球を出して
、最後は、たまらずサファテを出したものの、打ち込まれて一挙に5点を献上して逆転されてしまったのである。
> □野村克也語録「不思議な勝ちはあれど、不思議な負けはなし」
> 小生は、南海ホークスのテスト生からスタートした野村克也氏の言葉が気に入っており、野村氏の著作なども愛読している。その中に、「勝ちに不思議な勝ちはあれど、負けに不思議な負けはなし」という語録がある。今回の日本ハムの選手や監督にしてみれば、なぜこの試合に勝てたのか、不思議に思っているに違いない。だが、負けた広島の方については、明らかに勝利を確信して抑えのエースを温存するという慢心(?)、というより油断した試合をしてしまったのである。もし、前日の試合で新人野村が勝利投手になった時と同様、1対ゼロのまま9回を迎えていれば、サファテでしっかりと抑えきっていた可能性が高い。セパ両リーグを通じて最も打
撃の良い日本ハム打線を、2日続けて完封勝利をすれば、やや低迷気味の広島カープにしてみれば3連勝を飾り、意気揚々として福岡へ乗り込みソフトバンクとの対決にも気合が入ったに違いない。残念ながら、未だに連敗中である。どうも交流戦に弱いセリーグを象徴する気配が濃厚である。まことに、天国から地獄への転落を見ているように思える。
> □勝負への執念、日本シリーズ落合監督の冷徹な采配に学ぶ
> 何が問題なのだろうか。勝負事というのは、勝利できる条件がある時にはしっかりと勝つことが大事なのだ、ということであり、その点ではあまり余計なことを考えていたら、そこからアリの一穴のように敗北への道が開かれてしまうという実例なのだろう。思い出されるのは、2007年の日本シリーズ第5戦、中日ドラゴンズと日本ハムファイタースが日本一を争ったゲームで、中日の山井投手が日本ハム打線を8回まで一人の走者も許すことなく完璧に抑え、このままいけば日本シリーズ初めての完全試合だけに、最終回の9回も当然山井続投だろうと誰しも思っていたのだ。ところが、中日の落合監督は、「冷徹(?!)」にも、守護神岩瀬を投入し、
岩瀬は3人をぴしゃりと抑え、山井、岩瀬の二人で完全試合を成し遂げたのである。この試合をどのように評価すべきなのか、いろいろと論評がなされたのだが、落合監督の勝利への執念を感じさせ、今にして思うとよく変えられたな、という思いである。つまり、勝利に向かって直進しているときには、まず勝利をつかみ取ることに最善かつ全力を挙げていくべきことを教えてくれているのではなかろうか。この点について、昨年11月28日に発売されたフライデー誌に、落合元監督が語ったところによれば、この試合をもし落とせば、札幌に戻った2試合も落としてしまう可能性が大きいと感じており、中日の監督として「53年ぶりの日本一」という重い扉を
開くための決断だったという。「周囲に惑わされず、勝利のために最善を尽くす。リーダーはぶれてはいけない」のだ。
> □大山康晴永世名人の体験談、邪念が勝負勘を狂わした
> ちょっと話題が野球から離れるのだが、今から20年前、北海道内を遊説しているとき、日高少年自然の家というラジオしかない部屋に宿泊した。その時、ラジオで大山康晴永世名人が出演され、名人戦のリーグ戦での経験を話されていたのが思い出される。大山永世名人は、確か癌か何かを患われていた直後のリーグ戦であり、順調に勝ち進んでこの試合に勝てば挑戦者になれるという大一番のことであった。
>誰しもが、大山永世名人が優勢で、このままいけば挑戦者になることは間違いない、と予測していたし、ご本人も勝利をほぼ確信されていたという。が、その時、「もしも勝って挑戦者になったら、7番勝負という長丁場の戦いに耐えうる体力があるだろうか」と思われたという。その後、大山永世名人が、まさかという敗戦を迎えるわけだが、この勝負は、誰が見ても大山さんが勝てた勝負なのになぜ負けたのか、という声が多かったのだが、負けた背後には、このような邪念が出て、最後は負けてしまったのだ、という趣旨のお話であった。何という勝負事のあやなのだろうか、恐ろしいものでもある。大山永世名人は、ちょうど小生が参議院議員に当選した
1992年7月26日の投開票日に満年齢69歳で他界されている。おそらく、最後のラジオでの肉声を聞いたことになる。
> □負けた軍隊はよく学ぶ,勝った時には慢心しやすい
> なぜ、こんな話をするのか、と言えば、政治の世界でも同じようなことが起きているように思えるからに他ならない。いま、ねじれ国会が物事を何も決められない政治、として多くの批判を浴びている。本格的な衆参のねじれが現出したのは、今から5年前の2007年の参議院選挙での民主党の大勝利、自民党の大敗北からである。その時、小生は次の内閣の経済財政担当大臣で、次の総理は小沢一郎代表であった。次の内閣には、小沢代表はほとんど出席されることはなく、菅代表代行や鳩山幹事長などに任されていた。ちなみに、政調会長は松本剛明代議士であった。参議院選挙が大勝利した直後から少し経っていた9月初旬だったと記憶しているのだが
、小沢次の内閣最後の閣議で、小生は次のように発言したことを記憶している。「一体、今回の参議院選挙の勝因は何なのか、明確に総括すべきではないか。マニフェストの15.3兆円の財源は本当に確保できるのか、もう一度リシャッフルして検討していくべきではないのか」。残念ながら、その提言は、ほとんど無視されたまま、小生が野党時代に出席した最後の次の内閣は終わった。
>「負けた軍隊は良く学ぶ」とはレーニンの言葉だったと思うが、「勝った軍隊は、よく学ばない」のかもしれない。無駄を省いたり、予算の仕組みを変えたりしたら財源は増税しなくても出てくるという神話がここに出来上がったのではないだろうか。今、民主党政権が直面している問題の一つの根源的な問題点が、ここにあるように思えてならない。
> □核燃サイクルと原発再稼働、「必要は発明の母」なのだ
> それにしても、大飯原発の再開問題など、今年の夏に向けての全国の節電問題が注目されている。今、全国の原発の稼働はゼロであるが、この再開に向けて総理は決断されようとしている。本当に、原子力発電を継続していくことができるのだろうか。六ヶ所村での使用済み核燃料の処理作業は、依然として稼働できないでいる。プルトニウムを活用した高速増殖炉「もんじゅ」は停止したままである。原発を稼働させれば、必ず使用済み核燃料が出てくる。その処理が、核燃料サイクルを前提とするのか、しないのか、結論が出ているようで出ていないのだ。もし、核燃料サイクルを放棄するとしたら、六ヶ所村の使用済み核燃料棒はどこに持っていくのか。
元の原発に戻されるとしても、すでに敷地内処理は限界と言われている。とすれば、新しく原発を再稼働させれば、使用済み核燃料棒が蓄積され続け、敷地内での処理は不可能になる。先週25日、毎日新聞がこの問題でのスクープ記事を掲載しているのだが、原子力村の方たちは、核燃サイクル見直しに向けて、推進側だけで「勉強会」と称する秘密会合を20回以上開催し、近藤原子力委員長も出席していたという。原発の再開は、出口であるバックエンド問題の解決が見つからないまま見切り発車されようとしている。そろそろ、原発から脱却していく工程表を早くだし、エネルギーのイノベーションを起こすべき時に来ているように思われてならない。危機的
な状況を迫られるとき、新しいイノベーションが起きると思うし、起こさねばならないのだ。まさに、「必要は発明の母」なのだ。
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>峰崎直樹プロフィール
>1944年10月14日生
>1992年参議院北海道選挙区初当選
>〜2010年 参議院議員3期18年任期満了
>2009年財務副大臣
>現在
>内閣官房参与
>◎峰崎直樹 官邸お庭番日誌
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