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>昨日、水俣病に於いて、排水と水俣病との因果関係が証明されない限り工場に責任はないとする考え方は、被害の拡散を防ぐための有効な手段をほとんど打てずに経年していく、という重大な問題を抱えることになり、結果として大量の被害者を生みだしたと述べた。市街地の除染は、チェルノブイリのケーススタディからも困難が予測される。
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>福島市長が強弁する「徹底した除染」の具体策は如何なるものであり、その作用効果は住民の健康影響を防ぐに十分なものなのだろうか。本紙は、この福島県の長期的汚染問題をベラルーシに重ね合わせ、今も除染が叫ばれ避難がなされていない白河市〜福島市に至る一連の放射能汚染地帯に関しひとつのリスクを予測した。
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>図１は、白河市、須賀川市、郡山市、本宮氏、二本松市、福島市を流れる阿武隈流域の概図である。図２は、文科省によるCs137及びCs134の堆積図（4月29日版）。
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>図１＝阿武隈川流域概図
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>阿武隈川本川は、その源を福島県西白河郡西郷村に位置する旭岳（標高1,835ｍ）に発し、阿武隈山地や奥羽山脈から流れ出る社川、釈迦堂川、大滝根川、荒川、摺上川等の支川を合わせながら福島県中通 り地方を貫流している。
>●流域面積：5,400km2
>●幹川流路延長：239km
>●流域内人口（H12現況調査）：1,389千人
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>資料１＝福島県阿武隈川流域及び福島第一原発周辺の位置関係地図
>http://bit.ly/rw1h8x （航空写真が出ないときは、右側の航空写真をクリックする）
>図２＝文科省によるCs137及びCs134の堆積図（4月29日版）
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>われわれは、福島第一原発事故に於いて避難がなされていない阿武隈山地反対側に位置する阿武隈川流域を本件放射能汚染問題の核心と捉えた。3月11日に発生した福島第一原発事故に於いて、その放射性ガスは飯舘村から伊達市を経由し福島市から阿武隈川流域の各市へと向かった。地形的に見ると、右側に高濃度に汚染された阿武隈山地があり、そこを源流とする河川がいくつも阿武隈川本流に流れ込んでいる。
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>反対側には旭岳、那須岳〜磐梯山、安達太郎山、蔵王山が並ぶ。
>この山系に挟まれた地域の中心に流れるのが、主流、阿武隈川である。
>なぜ阿武隈川が重要なのか。
>それは、既に福島第一原発から放出された膨大な放射性物質（核分裂生成物）の殆どは地表面に降下し、阿武隈山系並びに阿武隈川流域全体に拡がっているからである。
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>日本は、降雨が多く、山林に降った雨水は、地表面に降下した放射性物質を、表面の塵や土壌を含め河川へと運び、河川は底に溜まった大量の放射性物質に汚染された粘土鉱物を泥流とし、川を茶色に染めて下流へと運ぶ。従って、下流になるほど川底の汚染度が高くなるはずである。すなわち、阿武隈山系並びに阿武隈川流域全体に降下した膨大な放射性物質は、長期間にわたり、最終的に阿武隈川に注がれ下流へと運ばれる。
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>河川は、生活用水を供給し、工場用水を供給し、そして稲作や農産物生産の中心的役割を担う。だが、新潟水俣病は、昭和電工鹿瀬工場でアセトアルデヒドを生産中に生成され、未処理のまま廃液として阿賀野川に排出されたメチル水銀が、川で獲れた魚介類の摂取を通じて人体に蓄積された事による有機水銀中毒であり、被害者の多くは阿賀野川下流の新潟市北区松浜、東区津島屋地域で多く発生した。
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>死亡患者の遺族の一人の法廷証言に「父は悶え、苦しみ……犬のように、猛獣のように狂い死にました」とある。つまり阿賀野川に排出されたメチル水銀が河川の魚介類を汚染し、その摂取を通じ人体に蓄積されたことが原因だったのである。
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>一方、今般阿武隈山系並びに阿武隈川流域に降下した膨大な毒性放射性物質は、必ず、この水系を経由して下流に運ばれる。
>Cs137、Sr90といった水溶性核種が長期間、環境に移行して来る。
>その量は確かに微量であろう。しかしながら、降下した放射性物質は、降雨によって市街地にすこしずつ運ばれ、乾燥すればダストとなって空中を舞う。
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>このようにして、経口及び吸引によって人体内に毒性放射性物質が摂り込まれ蓄積されて行く。Cs137、Sr90は、特に母体に多く摂り込まれる。
>なぜなら「胎児は小さな総合」だからである。非常に少ない量（微量）であっても、長い時間を経て人体が環境汚染度に応じて汚染される。さて、新潟水俣病は上流に廃棄されたメチル水銀に起因するものであったが、福島第一原発から放出された膨大な放射性物質の長期汚染は、本当に人体を汚染しないのであろうか。
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>Cs137はカリウムのように、Sr90はカルシウムのように振舞う。
>福島市長は、住民に対し明確な健康保証を、如何なる根拠によって行なうのか直ちに説明が必要である。
>
>以上
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