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2011年8月1日月曜日

Fw: 峰崎直樹「官邸お庭番日誌」第43号

>皆さんこんにちは!峰崎直樹です。
>今まで名刺等交換させて頂いた方々や、御支援を頂いた方々に配信させて頂きます。
>恐縮ですが、メールの配信をご希望されない方は「配信停止」をsapporo@minezaki.net までご連絡ください。
>また、ご質問、ご意見がございましたら、あわせて上記のアドレスまでご連絡ください。
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>官邸お庭番日誌 第43号 
>2011年8月1日
> 早いもので、もう8月である。あと31日後で延長国会は終わるのだが、その後の展開は全く読めて
>いない。菅総理は一体いつになったら退陣するのか、永田町では話題はたいていそのことに集中する。
>もっとも、菅総理が提起した問題は、いずれも国民にとって関心の高い問題ばかりであり、その実現
>は不可欠なのだが、何せ衆参のねじれ国会のために、物事は政府・与党側の方針だけでは到底通らな
>くなっているのだ。今の問題は、何よりもこの統治機構の問題点を解決していくことに尽きる、とい
>っても過言ではない。衆議院を解散しても解決できないわけで、与野党がどのようにこの問題を解決
>していくべきなのか、知恵の出しどころである。日本政治の質が問われているのだ。
>
>□アメリカの政局がドル安を招いている
> 日本だけがこのような問題に直面しているのか、と思えばアメリカでも昨年の中間選挙の結果、共
>和党が躍進して下院の多数党となり、民主党優位の上院と下院で多数党が異なるというねじれが生じ
>ており、8月2日までに国債発行額の上限を引き上げなければ歳入が滞り、下手すれば国債の金利が支
>払われなくなるのでは、という局面に至っている。どんな攻防がこれから繰り広げられるのか、予断
>を許さなくなっており、アメリカのドルの信認にまで影響し始めており、円相場が1$=76円台にまで
>上昇している。これというのも、比較的円のほうが安定しているということで円高になっているのだ
>が、裏を返せばドル安なのだ。それだけに、為替介入をしたとしても効果は限られており、なかなか
>打つ手がないというのが今の実態であろう。早くアメリカの上下両院の対立が解決することが必要だ、
>ということに尽きる。
>ただ、アメリカの民主党と共和党の対立というのはまことにわかりやすい。共和党は富裕層を代表し
>ており、増税には絶対反対という姿勢が強く出ている。まさに、小さい政府、自立自助の精神が党の
>基本理念として明確である。これに対して、民主党はどちらかというと低所得層やマイノリティを代
>表しており、富裕層からの増税を正面に据えている。日本のように、同じ自民党の中に考え方が対立
>していることはないのであり、国民から見てわかりやすいのだ。もちろん、自民党だけでなく、民主
>党も同じ構造を持っていることは言うまでもない。一刻も早く同じ政策で政党が再編成できるように
>しなければ、政策でもって投票するという点で、国民が選択しようがなくなるのだ。
>
>□子ども手当見直し議論の持つ問題性
> さて、残された会期の中で一番大きな課題が、赤字国債を発行できる特例公債法の行方であろう。何
>せ、40兆円以上もの大変な金額が、この法案が通らなければ歳入欠陥となり、予算執行ができなくな
>る危険性が現実のものになるからである。民主党と自民・公明両党の間で協議が続けられているのだが、
>一番の焦点は子ども手当の扱いになっている。どうやら子ども手当について、課税所得で860万円以
>上の子供には手当を支給しない(民主党原案では削減もあったようだ)方向で合意がされようとしている。
>なぜ、この問題について所得制限を付けるのだろうか。すでに昨年から所得控除として扶養控除38万円
>が廃止されており、高額所得者に対しては最高税率40%適用者の場合には年間15万円以上の増税にな
>るのであり、子ども手当分として月額1万3千円であればほぼ同じ金額15万円が入ってくるものの、地方
>税の扶養控除が3万3千円が加わり、差し引き増税額のほうが多くなり、860万円以上の所得のある方た
>ちにとっては、扶養控除廃止で負担増になるにもかかわらず、子ども手当が支給されないというまこと
>にバカげたことになるのだ。社会全体で子供を育てるべきだ、という理念をしっかりと実現していく必
>要があると同時に、このような手当の財源として控除から手当てへと、税金を支払っていない低所得者
>層にたいしても子ども手当を支給するという方向性を実現させたわけで、子供の貧困の増大、といわれ
>るように格差の問題が深刻化していることに対して有効な政策であり、バラマキ批判に対して厳しく反
>論していく必要がある。決して無原則に子ども手当を支給しているのではなく、高額所得者には扶養控
>除の廃止で十分すぎる負担を求めているわけで、自民・公明両党の言い分には筋が通らないことこの上
>ないと思う。
>
>□子ども手当は決してバラマキではない
> おそらく、子ども手当から児童手当に変え、高額所得者にとって大変利益が大きい扶養控除を元に戻
>すことを考えているのであれば、税の所得再分配政策の観点からも、まことに問題と言わざるを得ない
>のである。これまで公明党が中心になって成立させてきた児童手当に対して、民主党の政権交代の象徴
>的な政策である子ども手当を実現させることに対して、財源全体が絵にかいた餅に近かったことから子
>ども手当を批判しようとしているのだろうが、ぜひとも、間違った批判には毅然とした反論をする必要
>がある。もっとも、自民・公明両党の支持を得なければ、特例公債法案が通らないことから妥協を強い
>られているのだろうが、この点だけはキチンと言うべきことは言う必要があると思う。今後の少子化対
>策を考えるとき、少なくともバラマキという批判だけはやめさせる必要がある。
> 子供の問題といえば、少子化問題という大問題がある。ある経済人の言葉を借りれば「少子化という
>静かなる有事」がひたひたと押し寄せ、日本の経済どころか日本社会そのものの持続可能性を脅かして
>いることは誰でも知っているところである。なぜ少子化が進展しているのだろうか。成熟した社会では
>出生率が低下する、ということもあるが、世界では先進国でこの問題に深刻に対処しはじめており、フ
>ランスやスウェーデンといった国では出生率をかなり上昇させているし、移民政策を導入している国も
>ある。ノルウェーで移民政策に反対する大規模なテロ事件が勃発し、移民政策が導入された国でもなか
>なかやっかいな問題があることを知る必要があり、まずは、出生率の回復を図る必要があろう。今後の
>社会保障改革の最大の課題は少子化をどのように克服していけるのか、にかかっているといっても過言
>ではない。
>
>□少子化は、"家"の重圧に対する女性の反乱の表れでは
> その際、少子化が進んでいる世界の国々を見たとき、イタリアやスペインといった国と日本や韓国で
>目立つ。いずれも宗教観、倫理観で"家"というものの位置づけが重く女性の肩にのしかかってきた国々
>であり、女性が高学歴化し、結婚をし職業を放棄して家庭に入る「機会費用」が高まっているし、子供
>に対する教育費のウエイトも高い。女性がこのような中では、結婚をし、子供を産み育てることの困難
>性を社会が救済していく必要があると思う。ある国の調査機関が、世界の幸福度を調査したとき、世界
>一は中米のコスタリカという小さな国であったことがNHKの放映で紹介されていたが(ちなみに日本
>は60位台、アメリカは140位台だったと記憶している?)、大統領は女性で国会議員の女性の比率
>も40%近い高率で、離婚率も50%近かったことを記憶している。それでも、子供を産み育てること
>は十分可能であり生活をエンジョイしていると報道されていた。
>
>□GDPだけでなく、幸福度に注目しよう
> 幸福度というものをどのように定義し、どのような基準で見ていくのかは、これからの先進国では大
>変重要なものになりつつあり、日本でも早くその検討を進める必要がある。GDPという量的な成長と
>並んで、幸福度という人間の生活の質の面での改革こそが、経済の目的であり、その指標こそ重視され
>るべきであろう。フランスのサルコジ大統領は、スティグリッツ教授らにGDPにかわる幸福度の調査
>を依頼し、その結果をふまえて昨年3月、EUの2020年戦略の中でも幸福度の目標が提起されてい
>るし、アメリカオバマ政権のもとでも2018年までに医療や環境などについての目標値の策定に乗り
>出し始めている。日本もきちんとした対策に乗り出す必要がある。どうやら、女性が解放されることの
>重大性に、日本の社会は早く気がつく必要がありそうだ。 
>
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>
>峰崎直樹プロフィール
>1944年10月14日生
>1992年参議院北海道選挙区初当選
>〜2010年 参議院議員3期18年任期満了
>2009年財務副大臣
>現在 
>内閣官房参与
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